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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百三八幕「空中でバラバラ」
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いけど、緊急出撃過ぎて空飛んでいる今の時点で指揮系統が纏まってないんだよ。……え?ブライト艦長とかは知らない機体が指揮下に加わっても普通に運用してた?……チカ、それはあの人たちがおかしいだけだからね?………うん、うん。とりあえずその人に指揮任せるのはマズイと思う。最高指揮官はチカでいこう。現場で戦ってるISを現場指揮官に?それはちょっと……コア登録もない国籍不明の人が指揮官って納得しない人も多いんじゃない?……うん……うーん、ちょっと待って」

 久しぶりに友達に連絡取るわー的なノリで世界で1,2を争う謎の博士とライフラインを持っていることをサラっと暴露しつつ話を振ってくるシャル。さてはこの流れ、ジョウもチカと共に彼女とつながっているな、と冷や汗交じりに分析する。

「ねぇラウラ。部隊の指揮経験はあるよね?最大何人くらい?」
「あ、ああ。20人程度の小隊なら指揮したこともあるが……」
「チカの調べだとね、この面子の中で指揮経験があるのどうやらラウラだけみたいなんだけど……現場指揮官する?嫌なら僕が引き受けるけど?」

 やべぇ、自分で地雷踏んだ……とラウラは天を仰いだ。
 誰かやってくれる人いるだろうと思ったらこれである。なんだか19歳なのに戦艦の艦長にされた老け顔の軍人から謎のエールが送られてきた気がした。如何にも幸せな家庭を築き損なっていそうだ。

 こうして、現場指揮官ラウラと副官シャルによって部隊がやっと体系化した。ついでに「彼女、クラース教官の愛弟子だよ」という嬉しいけど嬉しくない注釈を付け加られ、ラウラの反対意見と逃げ場が消えた。



 = =



 『それ』は、余りにも巨大な浮遊物体だった。

 全行凡そ100m。蜘蛛を連想させる大量の赤い目らしきものと、壁蝨(だに)を思わせる形状。そのどれをとっても薄気味悪く、それが空中に存在している光景は余りにも異様で、まるでその生物がいる周辺から世界が崩れ去ってしまいそうなほどのプレッシャーを放っている。

 それと今まで戦い続けてきた『とあるIS』の操縦者は、ため息を漏らす。

「………チカから話は聞いてたけど、分かってはいても『STMC』が地球にいるっていう光景にどうしようもない絶望感を覚えるわねぇ。いやに消極的なのが逆に怖いわ」
『外見データは『兵隊怪獣バボラー』とほぼ一致していますが、サイズが桁違いです。本来ならこれ一匹が地球に到達した時点で甚大な被害出している筈の存在です』
「これが『虚失者(バニシング)』……虚ろなる者。人間の感情に引かれて既に地球に数度現れてるって話だけど、どうにも私とは相性が悪いわねぇ」
『あ、どうやらIS部隊が近くまで来てしまったみたいですよ?』
「うーん、やっぱ現状だとちょーっち火力が足りないわねぇ、私たち。
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