第八十八話 大坂に戻りその十一
[8]前話 [2]次話
「大儲けしてその金で島を統一してぜよ」
「世界も救う」
「やっぱり金は凄いぜよ」
「お金には魔力もありますが」
紅葉は金のそのことについても述べた。
「その魔力に魅せられずに」
「溺れずにな」
「やっていくのですね」
「溺れるとな」
金の魔力に負けてとだ、幸正は紅葉に話した。
「もうそれで本末転倒だ」
「私の浪費や蓄財、それが勢力でもですね」
「そうしたものになるとな」
私利私欲に基づいた過度の浪費や蓄財、それに向かえばというのだ。
「終わりだ」
「では」
「そうだ、金はな」
幸正は紅葉にさらに言った。
「浪費もよくないが」
「それでもですね」
「溺れても駄目だ、そして使う時に使う」
「出し惜しみせずに」
「それが大事だ、節約もいいが」
「使う時に使ってこそ」
「いい」
こう言うのだった。
「我は少なくともそう思っている」
「その魔力に捉われて溺れないで」
「的確にだ」
「使ってこそですね」
「意義があるというものだ、だからな」
「思いきり儲けて」
「思いきり使っていく」
「そうして勢力を立ち上げてからも」
「使っていく」
金、それをというのだ。
「そうしていけばいい」
「その通りだ」
英雄も幸正のその言葉に頷いた。
「ではだ」
「大坂に戻ればだな」
「儲けてもらうぞ」
「そちらは任せろ」
「そして賭場も押さえていってだ」
英雄はまたこの話をした。
「そちらも金の源にしていく」
「お城も築くでござるな」
「それは勢力を立ち上げてからだ」
英雄は智にも応えた。
「大坂の街を確かに掌握してだ」
「そのうえで」
「政の中心としてな」
「築くでござるな」
「そしていざという時の守りの為にもだ」
「お城を築くでござるな」
「大坂城を築く」
英雄はその城の名前も述べた。
「それも太閤さんの大坂城だ」
「あの大坂城になりますと」
紅葉はその城について述べた。
「巨大なものになりますね」
「その城にするつもりだ」
「そして確かな守りとしますか」
「いざという時のな」
今彼等の本来の世界にある大阪城は徳川時代に建てられたもので天守台もである、ただし天守閣の形は豊臣時代のものを再現している。
「そうする」
「そうですか、あの巨城を再現しますか」
「その地図があった筈だ」
豊臣時代の大坂城のそれがというのだ、つまり城の縄張りがだ。
「それを手に入れたならな」
「その地図を基にして」
「築く、いいな」
「わかりました」
紅葉も英雄のその言葉に頷いて応えた。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ