第61話:子供のままでいたかった大人
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いが、人間の身では到底不可能なことだ。
「…今更こんなことを言うのも何じゃが、わしの友人になってくれんか?浩樹の子供の頃のことを、一緒に話す相手が欲しいんじゃ…。」
その言葉を聞いた瞬間に及川の心に希望の光が差した。
晴れやかな表情をして、主税によろよろと歩み寄る。
「……浩樹と、一緒の頃…。おじさん、っ…ぐああああああああああ!!」
しかし、次の瞬間に及川はいきなり苦しみ始め、嬉しそうな表情から一変した。
今度は負の感情を全面に出したような表情になり、僅かに残っていた人の心すらも失って他人を傷付ける存在に成り果てた及川が初めに取った行動は、親友の父だったはずの主税を、この世から抹消することだった。
「チッ!!」
誰よりも早く動けたのは究極体のブラックウォーグレイモンのみで、主税を抱えて及川の攻撃をかわした。
「ぐっ…」
「ブラック!!大丈夫!?」
しかし、無事とは言い難く、ブラックウォーグレイモンは脇腹を抉られ、血が流れ出す。
なっちゃんは直ぐに治癒魔法でブラックウォーグレイモンの傷を治し始めた。
「ああ、そうだよ…やっぱり私は1人でなければ…今までも、そしてこれからもずっと。そうだ、私は暗黒の種を全て刈り取らねばならない。私の願いを叶え、デジタルワールドへ行くために…」
及川はそう言うと、高笑いしながら走り去って行った。
「ぐっ…早く…大輔達の元に戻らなければ…」
「喋らないで下さい!!」
伊織が無理をして体を動かそうとするブラックウォーグレイモンに叫ぶ。
「伊織…早く大輔達にメールを送れ…デジタルワールドに繋がるゲートを全て閉ざさなければ、現実世界もデジタルワールドもあいつの思い通りにされてしまう…!!死期を見失った愚かな亡者にこれ以上好きにされてたまるか…!!」
ブラックウォーグレイモンは及川から攻撃を受けたことで曖昧ながらも敵の正体を掴み始めていた。
まず自分達がしなければならないのは現実世界に存在するデジタルワールドに繋がるゲートポイントの遮断。
最後の戦いが近付いている。
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