溺れし神は何を見るか
第二話:絶望死す
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はそうはいきませんよ! 祇園様の力!!」
依姫が、持っている刀を地面に突き立てる。エネルは心網でそれを読んだが、動いた方が不味い結果となることまで理解した。次の瞬間、地面から無数の刃が飛び出してエネルの周りを取り囲む。
「もう逃がしません。"愛宕様の炎"!」
依姫の腕が炎に包まれ、炎そのものとなる。
「やはり自然系か…!」
「先程からおっしゃられているロギアやら何やらの事を私は存じ上げておりませんが、この炎は小さく見えても全てを焼き尽くす! 地上にこれほど熱い炎はほとんど存在しません!」
「悪魔の実を、知らない……?」
エネルには、目の前の敵の能力が分からなくなっていた。とてつもない身体能力、炎、雷、そして地面から生える無数の剣。悪魔の実の力としか思えない。だが、どんな実であるかの見当がてんでつかないというのも事実。
「バカな……! これ程の常軌を逸した力、悪魔の実でないのなら、一体なんだというのだ!?」
種族的な物ではないだろうとエネルは考える。先ほど相手した、兎の耳を生やした者達にはこんな能力など無かった。最終的にエネルは、目の前の女が実はウサミミ達の突然変異なのではないかと考えるようになった。耳も生えてない。
「燃え付きなさい!!」
轟ッ! と音をたて、あまりの高温に周りの地面を溶かしながら火の腕がエネルに迫る。
「私の大地!!」
エネルを理不尽な怒りが襲う。だが、エネルは動くことが出来ない。必ず裁きを与えてやると心に誓いながら、エネルは炎に飲み込まれた。
☆★☆★☆
「あら? せっかく後ろから奇襲しようと思ったのに、勝っちゃったの?」
剣に動きを封じられ、炎に身を焼かれている襲撃者の背後から、その光景の原因である依姫の実の姉、綿月豊姫がひょっこりと現れる。
「……姉さん、貴女の能力なら一瞬でここまで来れたでしょう」
「実力偵察してみようと思ったの。ま、意味は無かったようだけれど?」
「私を使わないでください!」
「良いじゃない、ちょっとくらい。…さて、あとはこの人縛り上げるだけね!」
そう言って、火だるまに成り果てた襲撃者の方を見る。しかし、そこには何もなかった。今のやり取りの一瞬の隙を突いて雷速で脱出したのだ。
「な!?」
「あら? いつの間に」
「ヤハハハハ!」
その珍妙な笑い声がした方を見る。するとそこには、崩壊したビルの瓦礫の上に"無傷の"エネルが立っていた。
「そこの女、よくも私の大地に傷をつけてくれたな
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