溺れし神は何を見るか
第二話:絶望死す
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み、平常心を失い乱れた心網の隙をつく突飛な発想の攻撃。
まさに天敵。だが、弱点もあった。斬撃であったり、電熱であったり。
もし、こちらに向かってくる人間が雷の効かぬ人間であったとしても、次は負けない。平常心を失わず、弱点を見つけ出し攻撃する。
その事を心がけながら戦わねば、負けてしまう可能性があることをエネルは知った。
「もう慢心はせん。圧倒的かつ絶対的な力を見せつけ、私はこの大地を支配する……!!」
そしてついに、その時は来た。
「貴方ですね。私の可愛い部下達を傷付けたのは……!」
「? どのゴミの事かな」
その言葉を聞き、依姫の顔が憤怒に染まる。だが、これもエネルの計算の内。目の前の敵を怒らせ、早めに手の内を知るための、作戦とも呼べない単純な挑発だ。
もとより真面目な性格の依姫は、挑発と分かっていても怒らざるを得ない。
「私の部下が負った傷は、貴方の命で償ってもらいます!」
「それは貴様が生きていたらの話だろう」
先に仕掛けたのは依姫であった。手に持っている日本刀が火に包まれた。
「! やはり超人系か、いや待て、確か火を操る自然系も存在したはず……」
数日前の敗北がかなりのショックだったのか、いやに慎重になるエネル。
「ハッ!」
「心網!」
一秒にも満たぬ間に20メートル程の距離を詰め、一ミリの狂いもなく心臓を狙った突きが放たれる。だが、その攻撃をエネルは既に心網で読んでいた。炎を纏った刃ではエネルにダメージを与えることすら出来はしないが、念のために余裕をもって避ける。
「フッ!」
依姫も避けられることなど想定済みだ。即座に纏わせた炎を展開。半径5メートル程の球状の炎が辺りを包む。この攻撃にも、依姫は手応えを感じなかった。
「1000万V……」
上からの声に反応し、依姫は刀を三度振るう。常人には刀を捉える事もできないような速度で。だと言うのに、またも手応えなし。炎の向こうに人影はない。だが、依姫の経験から来る直感が、早く避けろと警報を鳴らす。
「放電!」
下からの声。依姫は咄嗟に上空に跳んだ。
「ッ!?」
蒼白の閃光が炎を喰らう。間一髪で避けた依姫が、お返しとばかりに刀に雷を纏わせ、一閃。
「ほぅ、驚いた。よもや私以外に雷を操れる者がいようとは……」
雷の斬撃が直撃したにも関わらず、一切効いた気配のないエネルの口角がニヤリとつり上がる。
「上手く避けたようですね」
「さて、どうだろうな?」
「ですが、次
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