暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第27話 二重の約束
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「ん……」
再びエースが目を開けた時。
そこは、夢の中で見た夢──すなわち現実と全く同じ森の中だった。辺りはまだ暗闇に染まったままであり、ぼんやりと目を開けても何も分からない状況。夢にくっきりと見たはずの情報が、何故か曖昧になっているようだ。
「フォンバレンくん!!」
そんな何も分からないエースのことを、フローラが勢いよく抱きしめた。そのものの感触は柔らかで軽くとも、受け止めると不思議な重みがあった。
「スプリンコートさん……?」
「よかった……本当によかった……」
フローラは、エースを抱きしめながら泣いているだけだった。身体に少しの違和感が残っていることにも、現状が全く理解できていないことにも理解の及ばないエースは、ただただ彼女を抱きしめ返すことしか出来なかった。
「えーと……」
そんな現状を打破すべく、戸惑いを隠せないまま開いた口から出て来た言葉は、困惑を示すのには分かりやすく短かった。
「人をあれだけ泣かせておいて、出て来た言葉はそれだけなのね」
声が聞こえて来た方向を向くと、そこにはセレシアがやや呆れ気味な態度でいた。もちろん、エースには全く事情が呑み込めていないので、その言葉をすべて理解できるわけがなく半自動的に聞き返す。
「泣いてたって……プラントリナさんが?」
「違う。フローラが。泣いたり血を吐いたりしながらあなたを治療したんだからね。傷も、魔力も、全部フローラのおかげ。感謝しなさいよね」
そう言われてみれば、先ほどよりもやや身体が軽いような感覚をエースは感じていた。同じように先ほどまで存在していた、魔力が空に近いときの変な倦怠感もない。
それらをキチンと認識した後で、セレシアの言葉をようやく理解した。思い出した、と言い換えてもいいかもしれない。
身体に鞭打ってこの場所までたどり着いたこと、ここでフォーティスと一戦交えたこと、自分が一方的にやられていたのを見かねたのかフローラが飛び出してきたこと、そのフローラをかばうために反射の如く動いた自分が攻撃を受けたこと。
だからこうして自分は意識を失くしていたことを、エースは今更ながら思い出した。
そして同時に、ある事実に気づいた。
それは、魔力の譲渡はある特別な条件がある場合を除き、基本的には口移しでしか出来ない、ということだ。つまり、自分の意識がない間に、フローラの唇と自分の唇が触れた、ということになる。
その事実を認識した途端、エースは頬を少し赤くした。もしかしたらファーストキスを、どうしようもない自分のために使わせてしまったかもしれない。仮にそれを差し出そうとしていた相手が同じ自分だったとしても、意識のある時の方がよかったな、と思ってしまう。未だ自
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