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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第27話 二重の約束
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の言葉で、エースの背筋は伸びた。普段は怒る姿を絶対に見られない分だけ、余計にその口から放たれる言葉が怖い。

「フォンバレンくん、多分私には君を止める権利はないんだと思う。だからってことじゃないんだけど……私と約束してほしいな」

 フローラは怒ることはせず、真剣な眼差しを自分に向けてきた。至近距離からのそれに、エースは思わず固唾を飲み込む。

 すると、フローラが自身のトレードマークでもあるリボン付きのカチューシャを外し、さらにそのリボンを片方解いて目の前に差し出した。エースはその意味を問うように、リボンに向いた視線をフローラへと戻した。

「このリボンをお守りの代わりにフォンバレンくんに貸してあげる。だから必ず、こうやって手渡しで私に返しに来てね」

 フローラから受け取ったリボンは、とても重かった。

 その理由は、エースも分かっていた。このリボンがついていたカチューシャはセレシアからの贈り物であり、フローラが非常に大事にしていることをエースも知っているからだ。

 そのカチューシャのリボンを外してお守り代わりに自分に渡すということが、どれだけ重みのある行為なのか。

 それを手渡しで返す、という願いが何を意味するのか。

 今のエースは、十分に分かっていた。

 だが分かっていても、エースの中には一抹の不安が過り、そして消えない。吐き出した後悔の残り香が、自分の持つ臆病さのせいでまた居座ろうとする。

 だからエースは、振り払うための勇気を言葉に乗せ始めた。

「今の流れでこんなことを言うのは、変かもしれない。だけど、もう後悔したくないから、言わせてほしい」

 夢の中では言えたのに、まだ現実では伝えていなかったあの言葉。二度と後悔しないために、残り一歩分の距離に込めて吐き出す。

「フローラ、大好きだよ」

 始めて呼んだ名前も、伝えたかった一言も、言った自分が驚くほどすんなりと口に出来た。

 自分と違って驚きを顔に出しているフローラを見たままで、エースは自分の願いを言葉にする。

「俺はこの先、何度だってこの言葉を言いたいから」

 命の終焉を迎えようとしたエースに、心からの願いを伝える機会を、この先の未来を与えてくれた少女。

 彼女に対してエースが今、出来るのは──

「約束する。必ず、君のところに戻るって」

「うん、待ってる」

 涙を見せながらも微笑むフローラの返事を聞いた後、エースは立ち上がって森の中へと走り出した。

 背中に向けられる視線には、どんな意味が込められているのか……そのすべてを理解したつもりではいるが、あくまでもつもりだ。本当のところは、もちろんエースには分からない。分からなくとも、やるべきことは変わらない。

 心にしっ
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