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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第26話 俺の答え、私の答え
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ローラのみ。そのフローラが助けることを諦めれば、それはすなわちエースの命を諦めることに直結する。
そうしてエースを失った後の自分がどうなるのかくらいは、フローラにも容易に想像がついていた。
「そうなったら、多分私は生きる意味を新しく見つけられないし、そのまま死んだように生き続けることになると思う。私の心の中で、フォンバレンくんはセレシアと同じくらい大きな存在だから」
フローラにとってエース・フォンバレンという存在の大きさは、今や姉であるセレシアを含めた自分の家族にも負けないほど大きい。
それはきっと、双子であるから故に親元を離れなければならず、不安しかなかった自分に新しい安心感をくれた人だったこともあるのだろう。
だが、それだけには留まらない。それ以上に、エースはフローラに幸せをくれた。隣にいる時間がとても楽しかった。それは、セレシアとでは絶対に体験できない、恋がもたらした幸せだった。
「もしやらないで後悔し続けるなら、今ここで死んでもいいからってくらいの命がけの魔法で救ってあげたい。さっき私を守るために飛び込んだフォンバレンくんみたいに、私も命をかけなきゃ、きっと告白の答えは聞けない」
その幸せを掴むための告白は、乱入者により曖昧なままで終わってしまった。そして今二度と聞けなくなるかもしれないところまで来ている。
そうなってしまう前に、自分の力で命を繋ぎ止める。それが、フローラの出した答え。
「私ね、やっぱりフォンバレンくんの答えが聞きたいの。だから、今だけはわがままさせて」
そう言うと、たった1つの願いだけを支えに、フローラは魔法を唱え続けた。
視界もぼやけ始め、激しい脱力感に襲われ続けている中で、フローラは両手で治癒魔法をかけ続けていた。
「じゃあ、一緒に頑張ろうよ。あたし、頼りないお姉ちゃんにはなりたくないよ」
そんなフローラの横に、セレシアがやってくる。何故という言葉が喉元まで来た時に、セレシアがその理由を答える。
「あたしと手を繋げば、少しは楽になるかもよ。幸い、魔力だけはいっぱいあるからさ」
「……うん」
本当は自分の力だけで叶えたかったが、そんなワガママは言っていられない状況。セレシアの左手を握り、魔力を受け取りながら、フローラはエースの治療に集中するのだった。
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