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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第26話 俺の答え、私の答え
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たり赤面したりしそうなことではあったが、この時にはそうする余裕はそこまでなかった。

「フローラ、何してるの……?」

 そんなフローラがこれから行おうとしている行動は、今ようやく意識を引き戻したセレシアの視界に入る。思考の固まった彼女には想像できない意図を問う言葉が、フローラに向かって投げられていた。

「フォンバレンくんの治療をしようと思って」

 正直、話している時間も惜しかった。セレシアからの追求を振り切るように、また意を決するためにあえてはっきりと大きな声で言った。

「始めます!!」

 次の瞬間、これまで自分でも見たことのなかった強烈な青い光が、エースを包み込み始めた。

 先ほどよりもさらに勢いを増して魔力が減っていくが、フローラはそんなのお構いなしだった。ただ、目の前の大好きな人を助けたい、その一心で魔法を使い続ける。

 だが、身体は素直だった。急激に減る魔力に体が耐えられず、込み上げて来た何かを、エースのいる方向と別の方向に吐き出す。

 それは、フローラ自身の血であった。どうやら体が耐え切れずに吐血してしまったらしい。側にいるセレシアが慌てた声で問いかけてくる。

「フローラ大丈夫!?」

「大丈夫!」

 口ではそう言うが、全然大丈夫ではなかった。むしろ限界をそう遠くない未来に迎えてもおかしくなかった。それでも、やはりエースの存在が、行動が、フローラを動かすカギとなった。

 無理をしてまで守ろうとしてくれた人を助けるのに、無理をせずに応えるのは無礼だ。相応の覚悟で、やらなければいけない。

 それでも、身体が言うことを聞かなくなり始める。

「かは……けほ……」

 2回目の吐血の後、フローラの意識は少しだけぼやけていた。視界が狭まり、息もやや粗くなり、どう見ても満身創痍のフローラを見たセレシアは、もう見ていられなかったのか悲痛な声を出していた。

「もう止めてよフローラ! このままじゃ、フォンバレンくんの治療を終える前にフローラが死んじゃうよ……」

 セレシアの言葉は、自分でも痛いほど分かっていた。

 このまま治療を続ければ、最後に自分がどうなるかは分からない。なんとか終わるかもしれないし、終わる前に自分がダメになるかもしれない。

「分かってる。でも、諦められないの」

 だがそれは、フローラが治療を止める理由にはならなかった。

 それだけではない。今はどんな理由であっても、フローラが治療を止めるだけのものにはなり得ないだろう。

「今私が折れたら、フォンバレンくんのことを諦めるしかない。そうしたら、告白の答えだけじゃなくて、声そのものを二度と聞けない。二度と隣にいられない」

 今この状況下でエースに即座に治療を施せるのはフ
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