暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第25話 胡蝶の夢、その続き
[1/5]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
「結局、全然寝付けなかった……」
謎の夢から目覚めたエースが迎えた次の日。その朝の目覚めは、最悪だった。
ほとんど寝付けず、意識が一定まで沈んで浮かんでの繰り返し。それで8時間も格闘し、すでに朝になっていた。目覚めとは言ったが寝てないので実際には目覚めといえるものではなく、覚醒状態が限界以上に続いた感覚である。
人間ちゃんと寝ないと不調をきたすとよく言われるが、もうすでにすべての能力が絶不調であった。これでは確実に座学実習どちらも支障をきたすだろう。
「おはよう、フォンバレンくん」
「あ、おはようスプリンコートさん」
そんな絶不調のエースに靴箱で背後から声をかけてきたのは、昨日母親にガールフレンドと散々いじられたその相手――フローラ・スプリンコートであった。今日も綺麗な微笑みと共に挨拶をしてくれる。
もちろんエースも礼儀正しく挨拶を返すが、同時にフローラに目の下のクマが見えてしまう。少しだけならまだしも、かなり酷いことになっているエースの状態では気づかないはずもなく……
「フォンバレンくんどうしたの? 目の下にすっごいクマ出来てるけど……」
「ああ、昨日全然寝付けなくて……。ある程度まで眠りが深くなると何故かそれ以上いかずに浅くなって、また深くなってって感じを繰り返してたら朝になった」
当然の如く話題になったクマに関しては、そうとしか表現が出来ないほど自分でも何故眠れないのか分からなかった。何か別の意思が働いて眠りにつけないような感じすらあったほど、眠らせてもらえなかったのだ。
「大変だね……」
「まぁ、幸いケガとかはしてないし、とんでもない不幸とかもないからな……。大丈夫っちゃ大丈夫」
「何が大丈夫ってー?」
「どぅぁっ……!?」
横並びになって歩きながら会話を交わすエースとフローラの後ろから、会話に割り込む形でするりと入ってきた女子生徒が1人。トレードマークのポニーテールを揺らして、妹とは違う種類の絵になる笑顔を向けてきているのは、これまた昨日母親との会話に出て来たセレシア・プラントリナである。
「あ、セレシア。思ってたより早かったね」
「うん。なんとかなったー」
驚いて変な声が出たエースをよそに、フローラとセレシアの会話は何事もなかったように始まろうとしていた。
それに割り込む形で、エースは違う話題を引っ張りつつ会話に復帰した。
「ずっと思ってたけど、2人ってホントに性格違うよな……ホントに双子?」
「何を今さら。そんなに疑うなら、フローラが髪結ぶか、あたしがほどいて証明してみようか? 一発で分かるから」
「あーいやいい。実演しなくていい」
自らのリボンに手をかけようとしたセレシアを止めるエー
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ