第百五話
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第百五話 誰の悲劇か
塾での魔法の授業が終わってからだった、華奈子は美奈子と共に家に帰ってすぐに母にこう言われた。
「二人共晩御飯食べたらお風呂に入りなさい」
「じゃあお風呂まで勉強ね」
「そうね」
二人共すぐにそうしようと思った。
「学校の宿題してね」
「明日の予習と今日の復習もして」
「それでね」
「晩御飯までそうしていましょう」
「ええ、お風呂に入ってからね」
それからと言う母だった。
「好きにしなさい」
「わかったわ、じゃあお風呂に入った後で」
「漫画読みましょう」
二人でそうしようと話してだ、そのうえで。
二人共実際にまずは勉強をした、まずは宿題をしてから予習と復習をしてだった。まだ仕事から帰っていない父以外の三人でだった。
晩御飯を食べた、この日は焼き餃子に卵を入れた味噌汁に色々な野菜の浅漬けだった。
そうしたものを食べつつだ、華奈子は美奈子に言った。
「今田先生はミンチン先生が可哀想って言ったわね」
「ええ」
美奈子も頷いて応えた。
「そうだったわね」
「あたしどうかなって思ったけれど」
今田先生のミンチン先生についての考えがだ。
「今考えるとね」
「可哀想な人だって思うのね」
「ええ、自分がとても酷いことしているのに気付かないなら」
それならというのだ。
「本当にね」
「可哀想だっていうのね」
「それに最後若しセーラが恨んでいたら」
「そうなっていたらね」
「確実に奈落の底に落とされていたから」
自分が何よりも大事にしていた学園を失ってだ。
「これまで凄く苦労して妹さん育てながら働いて学校通ってたのに」
「そこまでして学園築いたけれど」
「その学園を失っていたから」
だからだというのだ。
「本当に可哀想になってたわね」
「そうね、自業自得でもね」
「酷いことをしていることに気付かないことも可哀想だし」
「あの最後を見ていたら余計にね」
まさにというのだ。
「可哀想だったわ」
「そういえばそうね」
「それに読んだ人観た人殆ど全員に物凄く嫌われてるから」
このことは華奈子達も同じだ。
「やっぱり可哀想ね」
「そうなるのね、確かにね」
美奈子も否定しなかった、華奈子のミンチン先生への今の考えに。
第百五話 完
2018・11・16
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