第二章
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「それで、ですね」
「飼育されていてな」
「見応えがあったですね」
「うむ、特にだ」
「ドラゴンですね」
「各種飼育していてな」
「フェニックスまでいて」
この世界でも極めて貴重なこの鳥もというのだ。
「素晴らしいですね」
「全くだ、だが」
「そうですね、そのフェニックスですが」
「ミャンマーとインドの国境で捕まえたというが」
「よく捕まえられましたね」
「そうだな、だが黄金に輝いてな」
その身体がだ。
「眩いな」
「仕草も面白くて」
「人間的だな」
「はい、では明日も」
「フェニックスを観よう」
「それでは、そういえば」
千歳は焼酎で焼きそばを楽しんでいる日毬に話した、二人は大坂の料理を鉄板の上で焼きつつ飲み食いをしているのだ。
「ミャンマーとインドの国境は」
「この世界では我々太平洋とインド、ロシア枢軸の国境だ」
「そうですよね」
「身雨林地帯で双方軍を中々進めさせない」
「自然の要害ですね」
「文字通りのな、そして生きものはな」
日毬はさらに話した。
「人が定めた国境は関係がない」
「あくまでそれは人のことですからね」
「だからあの辺りにはインドにいる生きものも多い」
「あちらにもミャンマーにいる生きものがいますね」
「そうだ、そしてフェニックスもインドにいるが」
「あっ、インドにはフェニックスはもう一種類いましたね」
千歳はお好み焼きを箸で食べつつ話した。
「ガルーダですね」
「生きものというよりは神だな」
「人と鳥を合わせた姿をしていますね」
「嘴と足は鳥で翼が生えているな」
「全身金色に輝いていますね」
「仏教で言うと迦楼羅天だ」
八部衆の一である、悪蛇を喰らうとされている。
「あの仏だ」
「そうでしたね」
「強大で善の心を持つが悪戯好きでもある」
「悪戯好きってところが孫悟空に似てますね」
千歳はこうも思った。
「何かと」
「全くだ、そういえば最近大坂の街が騒がしい様だな」
日毬は焼酎をロックで飲みつつ述べた、焼きそばはもう食べ終えて今度はお好み焼きの海老玉を食べている。
「元々極めて賑やかな街だが」
「そうですね、真夜中になるとならず者を倒して回ったり違法な賭場の中で暴れ回ったり家の前にゴミを置いたり犬の顔に落書きをしたり猫にちょん髷をつけたり」
「前の二つはいいがな」
「変な悪戯が多いですね」
「他愛ないと言えばないがな」
「大八車の上に大きい方を置くとか」
「これはいささか悪質だな」
日毬もそこはどうかと言う。
「どうにも」
「そうですよね」
「そちらが神託ではないのか」
日毬は店員に焼酎のお代わりを言ってから述べた。
「むしろ」
「そう思いますが、ただ」
ここでだ、千歳はいか玉を食べつ
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