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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―交わした約束― 終末は少年少女へ問う
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成し得た功績ゆえに獲得した霊格ではなく。これから成しえるはずだと期待された功績ゆえに獲得した霊格である。

箱庭から観測不能な世界で、これから先になしえるはずだと期待され、先駆け的に得られた功績。この上なく不安定で不明確なギフトゲーム。揺れ動く主催者権限の謎は……さて、どのように読み解いたモノか。



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「つーわけで、鬼道の霊格について教えろ」
「あ、うん。いいよ?」

とまあ、そんな感じで。
一旦本拠に帰ってきて、同じく本拠に帰ってきていたヤシロを呼び出して真っ先に行われた会話がこれである。はっきり言おう、あっけなさ過ぎる。

「……聞いた側であれだが、いいのか?」
「うん、別に大丈夫だよ?どうせお兄さん何かしらの手段で戻ってくる気だろうし、だったら上手く行きそうな手段に加担するのは従者として正解じゃない?」

なるほど、それだけ聞けば確かにその通りだ。それにしたって彼女らしくないというか……

「それに、ちょっとアドバイスすればお兄さんに勝てる方向には持っていけそうだし、どうなるか見ていけば面白そうだし♪」

訂正、思いっきりヤシロだった。

「それで、リクエストは『鬼道の霊格について』でいいんだよね?」
「ああ、それでいい。……ってか、それ以外にあるかよ」
「うん、まあ『鬼道の霊格』と『鬼道一輝』の霊格とじゃちょっと意味合いが違ってくるから、どっちがいいのかなー、って」

ギフトゲームが鬼道の霊格で開催されてるし、鬼道でいいとは思うんだけど、と続ける。

「あ、鬼道のギフトゲームで合ってるんだよね?」
「ああ、それであってる」
「それにしても、それ以外の主催者権限も保有してるみたいな言い方ね」
「うん、だって持ってるし。今お兄さんが保有してる主催者権限は『蚩尤』、『鬼道』、『アジ=ダカーハ』、『ジャック・ザ・リッパー』、『鬼道一輝』の5つのはずだよ?」

分かりやすい絶句。一輝のギフト、その構造上複数の主催者権限を保有していることは明らかだったため、今回驚きを生んだのはそこではない。

「あいつ個人として、二つ持ってるってことか?」
「うん、そう言うこと。もしかすると『鬼道一輝』の主催者権限はまだ完成してないかもだけど、そう時間はかからないと思うよ」

そんな言葉を告げ、更に続けるように一言。しかしそれは彼らをさらに追い込むものではなく。

「まぁ、安心していいんじゃないかな?少なくともお兄さんがその主催者権限を使うことはないし」
「……何故、そう断言できる?アイツの主催者権限はその構造上、単身でダブルゲーム、トリプルゲームを開催できる代物だ。本気で相手すると宣言している以上、それらを使ってくることだって」
「いやー、ナイナイ」


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