Knight's & Magic & Carrier 6
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ってやる。
「グリッド、ビーム!!」
逃げ出す分の魔力以外を左腕に取り付けられているアクセプター内のスクリブトに流し、グリッドビームもどきを放ち、騎操士を殺す。それと同時に飛竜艦から飛び降りる。余裕を持って脱出できなかった付けは爆風に巻き込まれて着地を失敗することで払うことになった。左足が変な方向に曲がり、幻晶甲冑もボロボロになってしまった。降り注ぐ破片から片足で飛び跳ねながら逃げ、安全圏まで逃げ切ったところで地面に転がる。未だに小さな破片が降り注ぐ。
油断していた。それは本当に小さな握りこぶしほどの破片だった。そいつは電気を溜め込んでいた。飛竜艦にはダインスレイブを反らせるほどの磁場を発生させる電力が流れていた。それがかすった瞬間、オレの意識は一瞬で飛んだ。
飛竜艦撃墜から既に2ヶ月もの月日が流れた。飛竜艦の撃墜と共にトールの捜索が始まり、ボロボロの幻晶甲冑を纏い、心肺停止状態で発見された。発見したイサドラが蘇生処置を施して何とか息は吹き替えしたけど、そのまま意識が戻らない。
ジャロウデクとの戦争は勝敗が覆らない状況にまで追い詰めた。他国の介入も出来ないように領土を削り、国内生産の3割を賄う穀倉地帯と輸送のコストを減らすために東側に作られていた幻晶騎士の生産工房も抑えた。エルフとの公益路も抑えた。あとはゆっくりとすりつぶすだけだ。
だから、先日エル達はフレメヴィーラに帰っていった。飛空船の技術を幻晶騎士に綺麗に落とし直すそうだ。トールは、動かさないほうが良いだろうと預かっている。
王都の復興を行いながら工房にはトールが設計していたファットアンクルを生産させる。飛空船に比べれば小さいが、生産効率と輸送効率が優れているので商家からは喜ばれている。それらの殆どをフレメヴィーラに売り払い、残っている分で支援物資を満載して戻す。王都から復興度合いに合わせて物資を再分配して各地に送る。輸送に特化したガンタンクも量産しているので輸送量もスピードはかなり早くなっている。
それでも手が足りない。正確に言えば文官が適応しきれていない。従来どおりの処理では追いつかないのだ。仕方なく商人に力を借りている状況で、他にも未亡人である程度の研修で使える者やその子どもたちを預かる託児所を用意したり、とにかく効率重視で慣習を無視して復興を行わせている。それらも全てトールが纏めていた計画書の通りだ。
戦後の復興計画も全て作成してから飛竜艦との戦いに挑んだのは、死ぬ可能性が高かったのではないかと疑っている。真実はトールにしかわからない。
その日の仕事を終わらせ、トールの部屋を訪れる。いつものように寝ていると思っていたのだが、上体を起こして頭を抱えている。
「トール、目を覚ましたのですね!!」
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