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SAO−銀ノ月−
「自分で行きます」
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…って言いたいところだが、ずいぶんと変わってるみたいだな」

「うん……地図を見てもしかして、って思ったけど」

 そうして黒鉄宮から地下に降りた迷宮は、まるで《はじまりの町》の地下全てがダンジョンになっているような広大さを備えていた。かつての浮遊城でこの地下迷宮に来たことがあるキリトたちだったが、あいにくとその様子は様変わりしているらしく。手早くアルゴが光を発する魔法を使いながら、キズメルとカイサラを伴って先頭を歩いていく。

「どうだ、アルゴ」

「ふふ、ショウキ。誰に向かって口をきいてるんダ?」

「……な、なあ……まだちょっとよく分かってないんだけど、なんでこのダンジョンにコンソール? ってのがあるんです? そういうのって普通はゲームの外にあるんじゃ?」

 とはいえ、グウェンとルクスが作ってくれた地図があれば大した問題ではないのか、先頭のアルゴからはなんともはや頼りがいのある言葉が発せられ、露払いもキズメルたちがいれば充分だろう。その言葉にほっと一息を発して安心したのか、ガーネットがわざわざ手を挙げながら小さく質問を投げかけた。コンソールやゲーム外と言った話を、先頭を歩くキズメルとカイサラに聞かれたくなかったのだろう。

「いや。普通、プレイヤーからは目立たないところに、必ずそういったものはあるんだ。その……SAO事件のせいで」

 ザ・シード規格で作られたVR空間には、必ずその空間内にそういったコンソールが置かれることとなっている。それは規格の大元である《SAO》がそうだったから、という理由も多分に含まれているが、それに加えて、VR空間内から脱出できないような事態が再来した時のためということもある――とのことだ。

「なる、ほど……?」

「だけど非常時以外はアクセス出来ないし、そもそもプレイヤーがいないような所に隠されてるけどな」

「……まさかあの事件に感謝することになるとは」

「え……」

 そんなキリトの解説に、ガーネットが分かったような分からないような声をあげるのを、ショウキは横耳にしつつ。本来はユイがいなければアクセス出来ないにしろ、プレイヤーが行ける場所に今回の件では必要不可欠なコンソールがあるのはSAO事件のおかげだと聞けば、ショウキは小さくそんな文句を言いたくなる気分になったが、どうやら隣にいたガーネットには聞こえてしまったようだ。

「あ、いや……何でもない」

「なあ、アンタら。あのSAO事件と何か関係が……ううん、聞くのは後だな。今はプレミアを助けなきゃだからな! ……ですよね」

「そうしてくれると助かるわー……っと」

 別に隠しだてしているわけではないとはいえ、あまり話していて気持ちのいいものでもなく。ばつの悪そうに目を背けるショウキだったが、ガー
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