「自分で行きます」
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町のNPCガーディアンとの衝突は避けられないだろう、と。
「NPCガーディアンはリーファたちが抑えてくれる。倒せる訳じゃないが……」
「なら我々の軍勢もそちらに送ろう。カイサラ殿もいいか?」
「そうだな。この迷宮ではどのみち大人数で行動は不可能だ」
その答えは、プレミアを探してくれていた仲間たち。ここにはいないが来てくれているようで、NPCガーディアンを抑えてくれるそうで、キズメルも即座にエンジュ騎士団とフォールンたちの派遣をそちらに決める。背後からの強襲と、NPCガーディアンの存在を最も恐れているのだろう。
「私は巫女殿とともに行く。しんがりの指揮はガルマルに頼む」
「はっ!」
「あとは……」
そうしてキズメルによって素早く指揮官が新たに任じられ、エンジュ騎士団の半数とカイサラを除くフォールンたちは、町中に待機しているリーファたちの元に向かっていく。そうして残る重要なことは――と、プレミアの方に視線が向けられた。
「プレミアは、どうしたい?」
これまでの動向を、なんら口を挟むことなく見守っていたプレミアに問いかける。ここまで相談して今さらな話ではあるが、プレミアの意思を聞いていなかったと思い出して。他のメンバーからの視線を受けて、プレミアはようやく言葉を発していた。
「この世界からいなくなるのは、正直に言うと、寂しいです」
「…………」
「ですが皆さんがここまでしてくれるなら、わたしは信じられます。それに他の世界に行ったなら、その世界も好きになってみたいです」
……プレミアの意思もすでに固まっていたようで、後顧の憂いなくパーティは《はじまりの町》に入っていく。目指すは地下迷宮の入口である黒鉄宮であり、プレミアが町中に入った途端、近くにNPCガーディアンが出現しだすものの、それは残った半数のエンジュ騎士団のエルフたちが抑えてくれる。
「ア、アタシここにいていいのかな……まだ初心者なんだけど」
「ガーネット、よね? あたしたちは魔法使いが少ないから、お願いしたいくらいよ」
「頼りにしてます、ガーネット」
「よ、よし! そこまで言われたら女がすたるってもんだっです!」
《マロメの村》から流れでここまで来てしまったガーネットとて、魔法使いが極端に少ないこのパーティでは重要な戦力だ。プレミアの直衛に回るリズに背中を押されつつ、少し緊張しているようだが大丈夫だろうと、決戦の場所に向かっているとは思えない空元気に緊張感が失せていく。ついでと言ったらなんだが、安定しない語尾を噛んだせいでさらに緊張感にダメージ。
「アーたん。今日はオレっちがヒーラーになるから、安心して暴れていいゾ」
「え、ほんとに……じゃなくて! 一人に任せるわけにはいき
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