第6章:束の間の期間
第192話「現れた二人」
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
人を安静に寝かせている間、優輝達は帝と司に説明しておいた。
二人以外にも報告はしたが、そちらは揺れと共に二人が現れた程度の情報しか伝えていない。神がボロボロな状態で現れたなど、混乱する情報でしかないからだ。
「『奏や他の皆には揺れと共に現れたとだけ伝えている。干渉できない所を見るに、あの“天使”に関わりがあるかもしれないから、お前と司には話しておこうと思ってな』」
『特に奏やなのはには伝えられないって事か……。でも、椿と葵も一緒にいたんだよな?それに、お前の両親も』
「『そこは仕方がない。一応、目が覚めて事情が聞けるまではあまり口外しないようにしてもらっているけどな』」
『目を覚ましたら、どの道広まるか……』
不安そうな声色になる帝。
それを感じ取ったのか、優輝は疑問に思って尋ねる。
「『どうした?』」
『……いや、なのはと奏が、どんな反応をするのかと思ってな』
なのはと奏に宿っているであろう、“天使”の存在。
それは、二人の精神にも影響を及ぼしている。
実際、以前に神夜のステータスにあった“■■”の文字を見て、無意識に嫌悪感を示す程には影響を受けている。
その反応をした場所に、優輝は居合わせていないが、後で司達から経緯を聞いていたため、それらの出来事については知っていた。
「『……以前襲撃してきたあの男と同じ性質だ。“天使”があの男を倒したならば、何かしら反応するかもしれない……か』」
『ああ』
反応するだけならまだマシと言える。
だが、二人……特に奏の場合、その後が肝心になる。
以前影響を受けた時、錯乱してしまう程狼狽したのだ。
もし、同じような存在を見てしまえば……。そう、帝は考えた。
「『だが、僕らの与り知らない所で何かが起き、今ここにボロボロになって現れた。……隠し続けるのは、至難の業だぞ』」
当然だが、二人が現れたのは予想外の出来事だ。
自分達の知らない所で何かが起こっており、それに巻き込まれた可能性もある。
そんな状況で、いつまでも奏となのはに隠し続けるのは難しい。
『わかってる。……どうにかしないといけないのは、わかってる』
優輝と違い、帝は元々ただの一般人に過ぎない。
そんな身で、人智を超えるであろう事態に向き合うのは、精神的に辛い。
「『幸い、二人共自分の中に何かが宿っている事は自覚している。上手く向き合える覚悟を持ってもらえば、何とかなるかもしれない』」
『……当の本人にすりゃ、なかなか酷だぞ、それ。……でも、それが一番マシな対処法になるのか……?』
「『今思いつく中ではな』」
優輝の持つグリモワールには、いくつか対処できそうな魔法はあった。
だが、そのどれもが記憶
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ