第6章:束の間の期間
第192話「現れた二人」
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それも通用しない。
「どうして……」
「存在の“格”が違うのよ」
椿の言葉に、優香と光輝は理解できずに首を傾げる。
「どういうこと?」
「物語の登場人物が、作者に干渉することはできないでしょう?そういう事なのよ」
「え、それって……」
「例えよ。でも、“格”の違いはそういう認識でもおかしくはないわ」
説明をしつつ、椿は眠っている少女に直接触れる。
「(普通に触る事はできる……でも、僅かにでも敵意を持てば)」
その瞬間、椿の手は少女をすり抜ける。
「簡単な、常識的な干渉程度なら容認してくれるみたいね。でも、敵意や干渉する意思を持てば、たちまち干渉できなくなるようね」
「だから、治療できないんだね」
「そうね」
幸いにも、二人は治療しなければいけない程の状態ではなかった。
安静にしておけば自然治癒するため、無理に治そうとする必要はなかった。
「……この子達は、一体……」
「神よ」
「……椿ちゃんのような?」
「いえ、私達八百万の神とは比べ物にならないわ。さっき言ったように、存在の“格”が違うの。何というか……領域外?の神と言うべきかしら……?」
椿自身、そこまでわかっている訳ではない。
優輝の言葉から、地球に存在する神話の神ではない事ぐらいしかわかっていなかった。
「つまり、よくわかっていないのね?」
「……そうね。でも、人を世界を跨いで転生させるどころか、力を授ける事も出来る存在だから、人からすれば神に他ならないわ」
「そう……」
優香と光輝からすれば、椿達以上に理解が及んでいない。
本人が眠っている今、漠然としか判断するしかなかった。
「……そんな存在が、どうしてこんな事に……」
「分からないわ。でも、単純に考えれば、同等以上の存在にやられたのでしょうね」
「揺れと共に現れた所から見るに、あの揺れとも関わっているだろうね」
普通の攻撃は一切通じない神のような存在。
そんな存在がボロボロになっている原因を考え、優香は戦慄する。
「揺れ……そういえば、さっきのはとんでもない衝撃だったわね」
「まぁね。……一度だけでなく二度も。そして、二度目にはこの二人が。……普通に考えてもこの二人なら何か知っているわ」
そのためにも、二人の保護は必然だったと、椿は語る。
「こちらからは治療することさえ出来ないから、しばらく安静にしてもらいましょう」
「攻撃どころか治療関係の干渉もできないからねー」
結局、安静にさせて見守るという事に方針が決まった。
『……そうか。俺達を転生させた神が……』
とりあえず、二
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