178部分:第十六話 向かうものその九
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第十六話 向かうものその九
「君達のやることはね」
「おかしなことを言い続けるね。意味がわからないよ」
「いえ、わかるわ」
しかしだった。ここでまた一人だった。
神無だった。そのいじめの被害者だった彼女もだ。出て来たのである。
そしてだ。そのうえで如月達の前に来てだ。岩清水に対して言うのであった。
「もういいじゃない」
「えっ、椎葉!?」
「何で椎葉があっちに行くんだよ」
「どうしてなのよ」
皆この事態にだ。首を傾げさせながら言うことになった。
「あいつがいじめられていた本人なのに」
「どうしてなんだよ」
「何であっちに?」
「向こうにって」
「私、この娘達に謝ってもらったから」
その神無が岩清水と彼の周りにいる面々に告げた。
「もういいから。この娘達二度とあんなことしないから」
「絶対に言えるのかな」
「言えるから」
岩清水に対しても言葉を返す。
「本当に。言えるからね」
「そんなことがあるわけないじゃない」
岩清水は嘲笑するような顔で神無のその言葉を否定した。
「有り得ないね」
「いえ、あるわ。この娘達は私よりずっと酷い目に遭ってわかったから」
だからだというのだった。
「絶対に。二度としないわ」
「それでどうだっていうのかな」
岩清水はその嘲笑したような顔のまま神無に対して言ってみせた。
「僕達のこの糾弾にどうするのかな」
「そんなことさせない」
そうだというのである。
「何があっても。させない」
「そうよ、もういいじゃない」
「これで終わりにしよう」
弥生と葉月もここでまた話した。
「そうしよう、もう充分よ」
「これ以上は。許さないから」
「私、皆がこれ以上するのなら」
最後にだ。神無が皆に告げた。
「絶対に許さない。何があっても」
「なあ」
「そうだよな」
「こうなったら」
周りはだ。そんな神無を見てだ。こう話をするのだった。
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