暁 〜小説投稿サイト〜
Charlotte 奈緒あふたーっス!
長い長い卒業式の始まり
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何がしたいんだ・・・・歩未。
『その、ある特定の人間とは…』
歩未の口が滑らかに動いていく。それを言ってどうする、と口を開きかけたがもう遅かった。
友利も何が起こっているのか理解出来ておらず、顔がへの字に曲がって硬直しているのが視界の隅に映った。
『特殊能力者、アンユージュアルアビリィティプレイヤーの存在です』
歩未の言葉にざわついていた館内が静まり返る。僕か歩未を生徒達が見ているのを頭を抱えて俯いていても感じる。
「歩未は何がしたいんだ・・・・?仕方ない」
僕はそう呟いて一つ深呼吸してから拳を握り、己の体を宙へと浮かすイメージをした。イマジネーション通り体はまっすぐふわりと舞い上がり、僕より後ろに座っている生徒や保護者の視線が釘付けになっているの痛いほど感じる。
「有宇が飛んでる・・・・・」
そう呟いた生徒の付近から視線が集まり、やがて全体の生徒たちも気付いて僕を見上げた。
「ワイヤーの仕掛けとか無かったよね!?」
我がクラスメイトの驚愕する声が耳に届く。僕は歩未のもとへとゆっくり飛び、降下しながら歩未を(いぶか)しんだ。
「歩未、何がしたいんだ?」
『来てくれるって思ってたからです!』
「そ、そうじゃなくて」
『これから特殊能力が実在するということを兄に証明してもらいます』
「な、何言ってるのさ・・・・って・・・・」
見ると歩未の手は震えていた。
「歩未・・・・?」
「少し付き合って欲しいのです」
にへらと笑う歩未は、普段の自分を装うようで、それは兄の僕が妹を信じるのには充分だった。
「しょうがない。分かったよ」
そう言うと歩未は頷き、再びマイクに向き直る。
『先程の飛行能力に加え、兄はあらゆる特殊能力をその体に宿しています』
歩未は一端言葉を切り大きく息を吸う。生徒やその保護者達は何を見せられるのかという考えに唖然として口を大きく開いている者、ワクワクして目を輝かせている者、式の頭から寝ている者など様々である。
『例えば念動力』
そう言って一歩下がる歩未は僕にウインクを飛ばす。これが能力を使えという合図なのだろう。それに従って僕は念じる。
まずはこの教卓台を僕の頭上辺りに持ち上げる・・・・と。その瞬間に「おおー!」と歓声が上がる。
そしてそれを元の位置に下ろすと、いつの間にかマイクを教卓台から奪っていた歩未が嬉しそうに声を張る。
「どなたかまだ信じられない方はいませんか?兄にその人を空中まで持ち上げて頂こうと思うのですが」
全員が好奇心でウズウズしているのを感じるが、恐怖もあってかウチのクラスの連中も合わせて十数人程が挙手している。またウインクをする歩未。
僕は深く溜め息をつき、十数人を一度に持ち上げるとゆっくり浮遊させ、速度十キロ程度で宙を同心円状にくるく
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