卑の意志なのか士郎くん!
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ュの体を横に流した。――そこに、俺の投擲していた干将と莫耶が迫る。マシュに対していたような流麗な剣捌きが見る影もなく荒々しくなった。完全に力任せの一撃。俺を否定するように干将と莫耶を叩き落とし、まっしぐらに俺にぶつかってこようとして、
させじとマシュが横合いから殴りかかる。
「……!」
「させ、ません……!」
マシュの膂力はアーチャーを凌駕している。まともにやれば押し負けるだろう。だが英霊エミヤとて百戦錬磨の練達。今さら自分より力が強いだけの相手に手こずる道理はない。
マシュは圧倒的に経験が足りなかった。デミ・サーヴァントとなって盾の英霊の戦闘能力を得ていても、それを活かせるだけの経験がないのだ。心と体の合一していない者に、アーチャーは決して負けることがない。
それを証明するようにアーチャーは再度、マシュをあしらう。懸命に食いつくマシュを打ちのめす。
強靭な盾を相手に斬撃は意味をなさない。斬るのではなく叩く、打撃する。呵責のないアーチャーの功勢にマシュは再び競り負け――俺は黒弓を投影し、剣弾を放ってアーチャーの追撃を断った。
「マシュ、援護する。一心に挑み、戦いのコツを掴むんだ。胸を借りるつもりで行け」
「はい!」
名もない名剣を弾丸として放ちながら俺は立ち位置を調整する。マシュとアーチャーがぶつかり合い、果敢に攻めかかる少女にアドバイスを送りながら援護した。
「攻めるな! 押すだけでいい! その盾の面積と質量は立派な武器だ。防御を固め体ごとぶつかっていけ! 相手の体勢を打ち崩し押し潰す、呼吸を掴むまで無理はするな!」
「はい! はぁっ――!!」
途端、鬱陶しそうにアーチャーは眉を顰めた。
素人が様々な工夫を凝らそうとするより、単純で迷いのないワンパターン攻撃の方が余程厄介なものだ。
マシュの耐久はAランク。盾の英霊の力もあり、並大抵の攻撃で怯むことはない。必然、アーチャーも威力の高い攻撃を選択しなければならず、そうすると一拍の溜めが必要になる。そのために、アーチャーはマシュを振りきれず、大技に訴え排除しようにも別の宝具を投影する素振りを見せればそれを俺が妨害した。
そして頃合いを見計らい、俺は新たに干将を投影する。すると、先に俺が投擲し叩き落とされていた莫耶が引き寄せられ、アーチャーの背後から襲いかかる形になる。
アーチャーは当たり前のように飛び上がって回避して、回転しながら俺の方に戻ろうとしている莫耶を、強化された足で蹴り飛ばした。
「そこ……!」
マシュが吠え、空中にいるアーチャーにぶつかっていく。ハッ、とアーチャーが嗤った。
敢えて突撃を受け吹き飛ばされたことで距離を取った。慌てて詰めていくマシュの顔に向けて干将と莫耶を投じる。
咄
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