第57話:怒り爆発
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精神的に脆い部分がある伊織と京に殺伐とした戦場は絶対に似合わない。
せめて2人だけにはこんな恐ろしい光景を見せたくなかった。
「さあ、早く帰れ」
大輔の声はとても穏やかで先程まで激怒していたとは思えない程である。
「大輔さん…でも…」
「私達だけ…」
「いいんだ、伊織、京…。お前らはいい奴だもんな…タケルも言ってたろ?無理しなくていいって…今までありがとな」
それだけ言うと大輔はマグナモンとブラックウォーグレイモン、なっちゃんの元に向かう。
「マグナモン!!ブラックウォーグレイモン!!アンノウンクロス!!」
「マグナモンBW!!」
マグナモンとブラックウォーグレイモンをデジクロスさせ、マグナモンBWにさせると、ドラモンキラーでデビドラモンを両断した。
「(良いんだろうか?大輔さん達に戦いを押し付けて逃げるなんて…)」
伊織の耳に家を破壊され、一組の夫婦が悲痛な声を上げた。
「(…これは、許される事なんだろうか。悲しむ人々を救える力を自分は持っているのに、戦いたくないからと、人々を見捨てる事が正しいんだろうか…?)」
今は亡き父…火田浩樹はこんな息子を見たら何と言うだろうと思い、伊織は表情を引き締めた。
「戦います…」
「伊織君…」
「上手く言えませんけど…ここで逃げたら、僕…一生後悔すると思います。僕も…戦います…」
伊織の目はまだ揺らいでいるが、タケルは伊織の覚悟を信じた。
「分かった、一緒に戦おう伊織君!!」
「はい!!」
タケルと伊織、アルマジモンも戦場に向かい、残されたのはヒカリと京とホークモンのみ。
「……どうして…こんなことになるの…?」
大輔、ヒカリ、タケル、伊織…そして賢とずっと一緒にいれれば、それだけで良かった。
楽しくデジタルワールドを冒険出来れば、それで良かったのに。
「京さん…」
「どうしてこんな酷いこと出来るのよ…!?何で…!?どうしてよ…!!?」
あまりにも酷い光景に京は泣いていた。
悔しくて悲しくて、街を平然と荒らす奴らが許せなくて、そんな言葉に言い表せない様々な感情が溢れ出したように、京の頬を涙が伝う。
賢を己の私欲のために振り回そうとするだけでなく無関係な人々まで戸惑うことなく巻き込むデーモン達に京が受け継いだ愛情が、純真が、その行為を許せないと叫んでいた。
「京さん…戦いましょう?」
「ヒカリちゃん…」
京の手を握り締め、ヒカリが強い光を宿した瞳で見つめる。
「京さんの気持ちは正しいんです。何もしないで後悔するより、精一杯やって後悔した方がずっといいですよ…大丈夫、京さんは1人じゃない。辛い時は私達が傍にいますから」
「
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