第三十九幕:すれ違いの虹
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時崎「アルバムの表紙についてなんだけど」
笹夜「アルバムの表紙・・・前に決めませんでした?」
時崎「製本アルバムは前に決めたけど、もうひとつ、七夏ちゃんに別に渡そうと思っているのがあって、その表紙をどうしようかと思ってた所で」
笹夜「なるほど♪」
時崎「この後、雑貨店へ寄ってもいいかな?」
笹夜「はい♪」
喫茶店を出て、高月さんと雑貨店へ寄る。文房具も置いてあり、アルバムの表紙に使えそうな厚紙もあった。
時崎「あ、これなんか使えそうだな」
笹夜「厚紙ですか?」
時崎「ああ。いいデザインがあるかな?」
笹夜「私も探してみます♪」
時崎「ありがとう」
しばらくすると、高月さんは、若葉色の厚紙を持って来てくれた。
笹夜「時崎さん、これは、どうかしら?」
時崎「若葉色に白い縁取り、セブンリーフみたいだね!」
笹夜「はい♪ 時崎さんもそう思われました?」
時崎「ああ! これなら、七夏ちゃんも喜んでくれると思う!」
笹夜「はい♪」
時崎「あとは・・・」
アルバムに必要な材料を買い足す。まだ足りない物があるかも知れないけど、とりあえず今思い付く物は買っておいた。
雑貨店を出ると、日が結構傾いていた。意外と時間を使ってしまったようだ。高月さんが隣町に住んでいる事を考えると、写真屋さんは俺一人で行く方が良さそうだ。
時崎「高月さん、今日は色々とありがとう!」
笹夜「はい♪」
時崎「駅まで送るよ!」
笹夜「え!? 写真屋さんへは・・・」
時崎「今からだと、高月さんの帰りが遅くなるから、写真屋さんへは俺一人で」
笹夜「は、はい・・・」
ん? 何だろ? また少し高月さんの様子が変わったような気がした。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
駅に着いたけど、高月さんは急に話しかけてこなくなった。何か少し気まずいけど、気に障るような事を話しただろうか? 写真屋さんへ俺一人・・・その事が影響しているようには思えないのだけど・・・。
時崎「高月さん! 今日はありがとう!」
笹夜「・・・はい・・・」
高月さんは、改札の前まで歩いてこちらに振り返る。長い黒髪がその後を追うようにふわりと広がる・・・前にも見た事のある光景。何度でも見てみたい光景。
俺はその瞬間を撮影して記録したかったが、今の高月さんの様子を考えると、写真撮影を行おうとは思わなかった。丁度、隣町行きの列車が改札越しに見えた時−−−
笹夜「と、時崎さん! わ、私、時崎さんの事が−−−」
時崎「!!!!!!!」
聞き間違いだろうか・・・いや、震え始めている手足が、そうではない証拠だ。どういう事なんだ? 訳が分からない。
時崎「あ、た、高月さん!」
笹夜「列車、来ましたから・・・失礼します」
その言葉を残し
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