第三十九幕:すれ違いの虹
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笹夜「・・・時崎さんは、いつまでこの街に居られるのかしら?」
時崎「え!? あっ!」
そう言う事か!
<<時崎「あ、ごめん。今回の旅行の滞在期間の事なんだけど・・・」>>
<<七夏「あ・・・」>>
以前、この街の滞在期間の事を七夏ちゃんに話した時の表情を見て以来、七夏ちゃんが不安にならないように気を遣ってたつもりが、逆効果だったのか?
笹夜「時崎さんが、いつ居なくなってしまうのか分からないという事が、七夏ちゃんの笑顔の影になっているのではと思って・・・」
時崎「やっぱり、七夏ちゃんに伝えた方が良いのかな?」
笹夜「決まっているのでしょうか?」
時崎「え!?」
笹夜「時崎さんが、いつまでこの街に居られるかという事」
時崎「いや、まだはっきりとした事は・・・だけど、引き延ばせてもあと一週間くらいかなと」
笹夜「え!? そ、そう・・・」
時崎「? どうしたの? 高月さん?」
笹夜「い、いえ・・・」
滞在期間の予定を高月さんに告げると、一瞬、高月さんの様子が変わった気がした。気のせいだろうか?
店員「お待たせしました。紅茶になります」
時崎「ありがとう」
笹夜「ありがとうございます」
店員「ごゆっくりどうぞ」
紅茶を頂き、少し落ち着いてから、もうひとつ気になっている事を訊ねた。
時崎「高月さん。もうひとつ、いいかな?」
笹夜「はい」
時崎「そ、その・・・高月さんは『可愛い』って言われるのって迷惑かな?」
笹夜「え!?」
時崎「女の子は・・・って、言った方がいいかな?」
笹夜「・・・・・私は、言われる人に依ります」
時崎「言われる人・・・」
笹夜「と、時崎さんだったら、とても嬉しい・・・です・・・」
時崎「そ、そう。ありがとう」
笹夜「七夏ちゃん、かしら?」
時崎「え!? ああ。まあ、可愛いって言うと、困ったような顔をされる事があって・・・前はそうでもなかったのだけど」
笹夜「それはきっと、とっても嬉しいからなのだと思います♪」
時崎「え!?」
笹夜「時崎さんの『可愛い』が社交辞令や、お世辞ではないという事」
時崎「あっ・・・」
なるほど。高月さんに言われると、心当たりがある。七夏ちゃんは、お泊り客からの「可愛い」には笑顔で対応していた。
笹夜「言われる人に依るって話しましたけど、伝わったかしら?」
時崎「ああ! ありがとう!」
笹夜「良かったです♪」
時崎「しっかり者さんの高月さんが居てくれると、心強いよ」
笹夜「そんな・・・」
虹の事についても高月さんに訊きたかったけど、これだけは、俺自身でなんとかしたい。全てを高月さんに訊いていては、ダメだと思う。
時崎「あ、そうだ! 写真屋さんに寄る前に、高月さん!」
笹夜「はい?」
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