第三十九幕:すれ違いの虹
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います♪」
高月さんは、俺への話しは済んだと思ったのだけど、まだ何かあるのかも知れない。俺も高月さんに訊いてみたい事がある。七夏ちゃんと距離を置く事で出来てしまった空間と時間を、高月さんで埋めてしまおうとする自分に気付く。だけど、七夏ちゃんの事をよく知っている高月さんに力を貸してもらう事で、七夏ちゃんと距離を詰める事が出来るなら・・・なんて考えてしまう。俺は身勝手だ。
時崎「高月さん、ありがとう」
笹夜「え!? い、いえ・・・」
凪咲さんに出掛ける事を伝える。
凪咲「柚樹君、高月さん、お気をつけて」
時崎「はい。ありがとうございます」
笹夜「では、失礼いたします」
商店街へと続く道を高月さんと歩く。昨日は七夏ちゃんと一緒だった事を思い出してしまう。ダメだ! 今は高月さんの事も考えないと! 何を話せばいい?
時崎「・・・・・」
笹夜「・・・・・」
時崎「・・・・・」
笹夜「と、時崎さん」
時崎「え!?」
笹夜「アルバム作り、如何でしょうか?」
高月さんから、話題を頂いてしまった。もっとしっかりしろ! 俺!
時崎「ま、まあ、今日も風景とか素材を集めたり、あと写真屋さんにも寄ろうかと」
笹夜「私にもお手伝いできる事ってあるでしょうか?」
高月さんには、写真のモデルさんになってもらいたいと思ってしまう。
時崎「写真屋さん、後で寄ってもいいかな?」
笹夜「はい♪」
時崎「高月さんは、買い物は無いの?」
笹夜「特には・・・あ!」
時崎「何かある?」
笹夜「本屋さんに・・・」
時崎「楽譜? それとも小説かな?」
俺が知っている高月さんの事って、このくらいしかない。でも、高月さんは少し嬉しそうに微笑んでくれた。
笹夜「すみません。今日は参考書を・・・」
時崎「そ、そう」
笹夜「夏休み、あと半分もないですから・・・」
時崎「!!!」
ツクツクボウシの鳴き声がまた聞こえてきた。夏の終わりが始まる事を告げるかのように・・・。もう、そんなに余裕がないな。俺自身でなんとかしたかったけど、高月さんに今迄で気になっている事を訊いてみようと思う。
少し、落ち着ける場所の方が良いだろう。それに、高月さんへ訊きたい事をまとめる時間も少しほしい。
時崎「高月さん」
笹夜「はい?」
時崎「本屋さんに!」
笹夜「ありがとうございます♪」
本屋さんで、高月さんを待っている間に、自分の考えをまとめる事にした。
「七夏ちゃんは写真が苦手」
これまでの事から、この事は分かる。そして、写真に対しての印象が、変わってきている事も。七夏ちゃんの方から写真撮影をお願いされたりもした。だけど、初対面の時に、俺の写真撮影のお願いを受けてくれた事は、分からないままだ。でもこれは、高
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