第三十九幕:すれ違いの虹
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ら、少し休憩なさってください」
笹夜「え!?」
凪咲「お顔、少し赤くなってないかしら?」
笹夜「・・・ありがとうございます♪」
凪咲さんに言われて高月さんを見ると、白くて綺麗な頬が、少し赤く染まっている気がした。ちょっとした事への気遣いが出来ない自分が情けない。
時崎「高月さん! こっちへ!」
笹夜「ありがとうございます♪」
俺は涼しい縁側へと高月さんを案内した。心地よい音が響く。
笹夜「まあ! 風鈴♪」
時崎「あ、音、気になるかな?」
笹夜「とても涼しく、心地よい音色です♪」
時崎「良かった」
笹夜「それに、綺麗な光・・・サンキャッチャーかしら?」
時崎「ああ。七夏ちゃんも喜んでくれたんだ」
笹夜「そう♪」
俺は昨日の七夏ちゃんとの事を、高月さんに話すべきか躊躇っていた。まずは高月さんのお話しを聞くべきではないだろうか?
凪咲「冷茶と和菓子です。どうぞ」
笹夜「ありがとうございます♪」
時崎「凪咲さん、ありがとうございます」
凪咲「ごゆっくりなさってくださいませ」
そう話すと、凪咲さんは部屋を出てゆく。縁側で高月さんと二人きりのような時間・・・次に行うべき事を考える。
時崎「高月さん、どうぞ!」
笹夜「ありがとうございます♪」
高月さんの手元に冷茶を差し出す。いや、次に行うべき事って、そうではなくって!
時崎「そ、その・・・話しって?」
笹夜「はい。時崎さんにお礼が言いたくて」
時崎「お礼!?」
高月さんから感謝されるような事をしたかどうか考える。けど、心当たりがない。
笹夜「この前、心桜さんの浴衣を選んだ日の事」
時崎「天美さんの浴衣選び? それ、俺は選んでなかったと思うけど?」
笹夜「その後の事で・・・」
時崎「その後の事? あっ! ピアノ演奏?」
笹夜「はい♪ あの時の販売員さんが、ランドロー社の方で、それ以来メッセージで連絡しあってます」
時崎「そうなんだ」
笹夜「ランドロー社の方のお話しは、色々な事を知る機会になりました」
時崎「その事と、俺へのお礼とは、どういう関係が!?」
笹夜「あの時、時崎さんが私の演奏を聴いてみたいと話してくれなかったら・・・」
時崎「え!? それなら俺だけではなかったと思うけど」
笹夜「七夏ちゃんや、心桜さんだけだったら、演奏していなかったと思います」
時崎「どうして?」
笹夜「二人は私の演奏を知っていますし、多くの人の前で演奏するのはちょっと勇気がなくて・・・」
時崎「俺が高月さんの演奏を聞いてみたいと話しても断る事ができたのでは?」
笹夜「はい。時崎さんには、知っておいてもらいたかったから・・・かしら?」
時崎「え!?」
笹夜「えっと、七夏ちゃんのアルバム作り・・・私も協力するって話
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