第三十九幕:すれ違いの虹
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七夏「虹は、どんな色に見えますか?」
時崎「・・・・・・・・・・」
七夏「うぅ・・・」
時崎「っ!!! 七夏ちゃんっ!!!」
心臓に叩き起こされた。
時崎「七夏ちゃん・・・」
窓はかなり明るくなっており、いつもなら起きている時間だという事がすぐに分かった。
時崎「起きる・・・か」
布団から起きる。机の上に「C11機関車」の鉄道模型・・・その下にメモ書きがあった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
柚樹さん、
おはようございます。昨日はごめんなさい。
今日はここちゃーのお家にお出掛けします。
七夏
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
時崎「七夏ちゃん・・・」
メモ書きを見てほっとする自分が居た。どんな顔をして七夏ちゃんと会えばいいのかと思っていたから。けど、それは問題を先延ばしにしているだけだ。七夏ちゃんは、しっかりと自分の意思を伝えてきているのに俺は・・・。
1階へ降りる。
時崎「おはようございます」
凪咲「柚樹君、おはようございます」
時崎「すみません。寝坊してしまって」
凪咲「いいのよ。起こしてあげようかと悩んだのですけど、七夏が・・・ね」
時崎「七夏ちゃん・・・」
凪咲「七夏は今日、心桜さんのお家にお出掛けしてるわ」
時崎「はい。七夏ちゃんからのメモを見ました」
凪咲「そうなの?」
時崎「凪咲さん!」
凪咲「はい」
時崎「・・・・・」
俺は、民宿風水を発つ事を凪咲さんに話そうとするが、なかなか言葉が出てこない。
凪咲「柚樹君?」
時崎「お、俺、七夏ちゃんと距離を置いた方がいいかと思って・・・その・・・」
凪咲「・・・・・」
時崎「泊り先を駅前の宿にしようかと思って・・・」
民宿風水を発つという言い方をしたくない自分が居た。別の言い方でなんとか意思を絞り出す。
凪咲「・・・やっぱり、二人とも似てるわね」
時崎「え!?」
凪咲「七夏が今日、心桜さんの家にお出掛けした理由と、柚樹君の今のお話し」
時崎「・・・・・」
凪咲「少し、距離を置いた方が見える事があるって話したと思うけど、それは避けるっていう事ではないのよ」
時崎「っ!!!」
凪咲「七夏は、柚樹君の事を避けてる訳ではないと思うの」
七夏ちゃんのメモ書きを見て、俺の事を避けている訳ではないという事くらい分かる。七夏ちゃんの方が、俺よりもしっかりと行動できているという事だ。
時崎「・・・はい」
凪咲「急に色々な事があると、気持ちを纏めるのに時間が必要なのよ。そして、その時に気持ちの対象となる人が近くに居ると、上手く纏まらないのよ」
どんな顔をして七夏ちゃんと会えばいいのだろう・・・そう思っていた俺に
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