ロマリア
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の間。
傅くアルル達の前に、ロマリア王とその王妃が玉座に座っている。
「よいよい…こう言う畏まったのは苦手でな…全員面を上げよ。楽にせい」
その一言を待っていたとばかりに傅くのを止めるリュカ…
その行為に、さすがに驚くロマリア王。
「ま…まぁ、何だ…我が国も勇者達一行に援助をしたいのだが、そうもいかん。恥ずかしい事に我が国も苦しくてな。それに、そなた等が本当に魔王を討伐できるか分からぬからな…」
「いやいや、王様!何も小遣いやるだけが援助じゃ無いでしょう!通行許可を与えてくれるだけで良いッスよ!西へ東へフリーパスってね」
本当に他国の王と謁見しているのか、疑いたくなるような口調のリュカ。
「貴様ー!!それが陛下に対する口の利き方か!!」
もちろん激怒する家臣。
「何だよ!王様が楽にしろと言ったから、楽にしてんじゃん!アレだよ、君…王様が許可したのに、家臣がキレると王様の度量の狭さをアピールしている事になるよ。僕、他の国に行ったら言っちゃうよ『楽にしろと言ったから楽にしたら、ブチ切れた小者が納める国だった』って…ベラベラ喋るね!」
リュカは元の世界で、この様な態度で外交問題を悪化させた事が何度もある。
「ふぉふぉふぉ…面白い!お主、名は?」
「リュカです」
「うむ、リュカよ!余もざっくばらんに話そう。実はな…勿体ぶったのは、やってもらいたい事があったからなのだ!その為に『援助できん』などと言ってしまったのだ…」
「まぁ、こう言うのは駆け引きですからね」
「我々に出来る事であれば何なりと!」
リュカのやり取りに胃が痛くなってきたアルルは、リュカが何か言う前に引き受ける事を了承する。
「うむ。カンダタと言う盗賊団が我が国の『金の冠』を盗んだのだ!それを取り返して来てほしい」
「見事取り戻せたなら、褒美を取らせましょう」
王妃がリュカを見つめ妖しく微笑む。
「別に人の女に興味ないから、褒美と言われても…ぐふっ!」
とんでもない発言をするリュカの鳩尾に、アルルの拳がめり込む!
「ご褒美を戴くまでもなく、全力を尽くさせて頂きます!では、早速行って参ります!」
蹲るリュカを引きずるように、アルル達は謁見の間を後にする。
「信じらんない!私、胃が痛くなったわよ!」
「まぁまぁ…落ち着いてアルル」
「そうだよ。リュカさんらしかったじゃん!」
早々に宿屋へ戻った一行は、リュカを囲み騒ぎ出す。
「リュカさん!不敬罪って分かります!?重いんですよ!!」
「言葉の意味は知ってるけどさぁ…でも、僕の国ではあんなもんだよ。不敬罪になった奴いないよ」
「何ですか、そのネジの緩い王様は!」
「あはははは、1個も言い返せない」
笑っている場合じゃ無いはずなのに、大爆笑のリュカ。本当、ネジが緩いのか
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