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運び屋
第一章
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               運び屋
 滝沢研二と正宗大二郎は滝沢が受けた神託で今はモンゴルの大平原にいた。その中に入ってからだった。
 滝沢はいつも方位磁針を見て正宗に言っていた。
「磁石がないとな」
「とてもですね」
「迷ってしまうな」
「はい」
 正宗はその通りだとだ、自分の隣にいる滝沢に答えた。
「地図もないと」
「これがモンゴルだな」
「その大平原ですね」
「僕達はウランバートルに向かっているが」
「地図ではあと少しですが」
 それでもとだ、正宗は前を見て言った。
「それでもですね」
「そうは思えないな」
「見渡す限りの大平原です」
 二人共馬に乗っている、よい馬なので進むのは速いが。
「何時着けるか」
「順調にいくと明日の距離だが」
「果たして着けるか」
「不安ですね」
 二人でこんな話をしながらだった、そのウランバートルを目指していたが二人は翌日にウランバートルに着くことが出来た。
 そして神託に従い貴重品の輸送を頼む承認を探していると。
 中央アジアの商人の服を着た甲殻人の三十代の男と会った、青いザリガニの甲殻人だ、着ている服は身なりがよく商売が順調であることが察せられる。
 その商人が冒険者と身分を隠して仕事を引き受けに来た滝沢と正宗に一つの厳重に鍵をかけられている宝箱をを出して話した、
「中に非常に高価なものが入っていまして」
「非常にか」
「はい、くれぐれもです」
「気をつけてだな」
「チョイバルサンまでお願いします」
「モンゴルの東の街までか」
「持って行って下さい、私も同行しますが」
 それでもとだ、商人は滝沢に話した。
「本当に貴重なものなので」
「なくさない様にだな」
「保管して鍵も封印もです」
「開けるな、だな」
「お願いします」
「そんなことはしない」
 滝沢は両手に持てる位の大きさのその赤と金色の宝箱を観つつ述べた。
「安心してくれ」
「左様ですか」
「そうだ、ではチョイバルサンまでだな」
「行きましょう、実はそこに家族がいまして」
「ここには仕事で来たのだな」
「そうです、では家に帰るまでの護衛もお願いします」
 商人はこのことも頼んだ。
「報酬は弾みますよ」
「それはいい、ではな」
「これから行きましょう」
 チョイバルサン、商人の家があるそこまでというのだ。こうした話をしてだった。二人はこの仕事をはじめた。
 仕事は順調にいくかと思われたが。
 商人は何かあるとすぐに二人に宝箱のことは気をつけろと何処でも言い二人に非常に高価なものを持たせていると商売や食事の場で言っていた、正宗はその彼を見て滝沢に囁いた。
「あからさまですね」
「何かあるな」
「あんなことを言えば」
「僕達を狙う奴が出て来る」
「ウラン
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