第七幕その四
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「煙突から煙が出ないと」
「SLとしてはですね」
「どうしてもです」
「完全ではないですか」
「ですからリアリティを求めていると」
「そこがですね」
「問題だったのです」
そうだったというのです。
「実は」
「そうですか、しかし」
宮田さんはここまで聞いて先生に困ったお顔で言いました。
「煙を出すとなると」
「それはですね」
「煙草の煙もそうですが」
「お部屋の中の空気が汚れるので」
「それは問題があります」
こう先生にお話しました。
「どうしても」
「それではです」
「それでは?」
「実は僕は以前チョロQを観たのですが」
「チョロQ、おもちゃの」
「はい、小さな中にゼンマイがあるミニカーですね」
「三十年以上昔大流行したんでしたね」
宮田さんもこのことは知っています。
「そうでしたね」
「僕もそのお話を聞いて興味がありまして」
「そうだったのですか」
「面白いおもちゃだと」
「では」
「はい、そして」
そのうえでというのです。
「その中で怪獣チョロQがありまして」
「怪獣ですか」
「特撮の怪獣達をチョロQにしたものです」
普通のものみたいに車をチョロQにしたものとは違ってというのです。
「それは口から火花を出して走っていましたが」
「火花ですか」
「中に火打石を入れていて。ただ小さな火花で」
そうしたものだったからというのです。
「触っても熱くなく危険ではないので」
「子供のおもちゃにもなっていましたか」
「中で火花が散って目が光る様になっているものもありました」
「そうでしたか」
「この要領でそれでというのです。
「煙ではないですが」
「煙突から火花が出ればですか」
宮田さんも考えるお顔になって先生に応えました。
「リアリティが出ると」
「そう思いますが」
「成程、では火打石を入れて」
「走る時に煙突から出る様にすれば」
「確かにいいですね、火打ち石は使っていれば減りますが」
このことは宮田さんから言いました。
「一旦中を開いて交換すればいいですし」
「そうですね」
「これはいけますね」
「そうですね」
「はい、それでは」
「あとです」
先生は宮田さんにこうも言いました。
「暗くして宙を走る線路や街がイルミネーションになりますね」
「それはですね」
「凄くいいですね」
こう宮田さんに言うのでした。
「奇麗で」
「はい、これはです」
「博物館の皆さんのアイディアですね」
「そうです」
まさにというのです。
「そうなのです」
「それでは」
「はい、これはです」
「このままで、ですね」
「いいと思います」
こう宮田さんにお話しました。
「まことに」
「それではこれは」
「このまま
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ