第一部
幕間の物語
その頃
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ていた。
「私、この事を一度団長に話してみる!団長だったら何か知ってるかもしれないから!ちょっと行ってくる!」
「あ……待ってアスナ!私も一緒に行くよ!」
アスナと私はギルドホームを飛び出すと、55層の血盟騎士団の本部に向かう。本部の前に行くと、門番の団員が慌てて敬礼して私たちに道を開ける。団員達を手で制して中に入ると、団長室前に着くと、ドアをノックした。
「入りたまえ」
そう短く声がかかると、私たちはドアを開けて中に入った。
「お疲れ様ですヒースクリフ団長。突然ですが、ヒースクリフ団長にお聞きしたいことがあります」
「ふむ。アヤト君が行方不明になっていることと何か関係があるのかね?」
「!?なぜアヤトが行方不明になった事を知っているんですか!?」
「コハルくん。今はなぜ私がその事を知っているのかよりも、別に話し合うべき事があるのではないかね?」
「!!……はい。その通りです」
よろしい。と団長が言うと、私たち2人を見据える。
「たまたまアヤト君が行方不明になったという話を聞いてね。私の方でも部下を派遣して探させてみたのだが、見つける事が出来なかった」
「そうでしたか……お気遣いありがとうございます」
私達はぺこりと頭を下げる。
「アヤト君の事だからその可能性は無いとは思うが、第1層の『黒鉄宮』を見てくるといい。アヤト君の名前に線が引かれていれば残念ながらアヤト君は死んでしまっている」
「そう……ですよね。では失礼します」
「無事に見つかる事を祈っているよ」
「ありがとうございます」
私たちは団長室を出ると、2人の男性プレイヤーがやってきた。2人は私たちに気がつくと、
「これはこれはアスナ様にコハル隊長ではないですか!お疲れ様です!」
「ゴドフリーさんに……クラディール」
相変わらず暑苦しい感じのゴドフリーさんと先日の一件から1番隊からゴドフリー率いるの2番隊に転属されたクラディールと鉢合わせた。クラディールは何とも言えない表情でコクっと頭を下げる。
「たった今クラディールの面談を済ませてきたところでして、お二人は?」
「私たちも色々ありまして……」
「お先に失礼しますねゴドフリーさん」
早々に2人から立ち去ると、本部を飛び出して転移門に触れる。
「「転移《はじまりの街》」」
私たちの体が青白い光に包まれる。気がつくとはじまりの街に着いていた。辺りはもう暗くなってきており、出店のランプが点灯してほんのり明るい。
「行こう!」
「うん!」
私たちは明るい中心地とは逆にランプの付いていない黒鉄宮に向かう。中は薄暗く、少し肌寒い。先程までの中心地とは比べ物にならない程に無機質で冷たい場所だ。
ズンズン進んで行くと、《生命の碑》が見
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