機動戦士ガンダム
2293話
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らば、私が……」
円の言葉にスレイがそう告げた。
実際、スレイのその言葉は決して間違っている訳ではない。
月に来るまでは、避難民の中からもパイロットを募集してどうにかMSを戦力としていたが、避難民が下船するとなると、そのパイロット達も下船する可能性がある。
アムロやカイ、ハヤトといった面々や、それ以外にも避難民から集められたパイロットの数々。
その辺を考えると、必ずしも全員が残る事になるとは限らないのだ。
「うーん、そうなると私はやっぱり駄目よね」
シェリルの言葉に、当然だろうといった視線が集まる。
シャドウミラーの幹部陣の中でも、シェリルは広報役として大きな影響力を持っている人物だ。
それでいながら、その役目を担っているのはシェリル1人である以上、そのシェリルが長期間いないというのは色々と不味い。
他にも、シェリルは広報役以外にも歌手としての活動もある。
その辺の事情を考えた場合、こちらもまた長期間行方不明になるというのは問題となる。
シェリル本人も、それが分かっていただけに自分から行けないといったように口にしたのだろう。
もっとも、実際には出来れば一緒に行ってみたいという思いがあるのも、間違いのない事実だったのだろうが。
「MSの運用を考えると、やっぱり実働班かしらね。けど、コーネリアは実働班を纏めるという立場上無理でしょうし……スレイと綾子のどちらかといったところかしら」
レモンの言葉に、何人もが残念そうな表情を浮かべていた。
エリナが悔しそうにしているのは、やはり交渉とかで自分が役に立つと考えていたからだろう。
もっとも、エリナの場合は政治班であるという時点でこの件から漏れているのだが。
「コーネリアとしては、どう?」
「ふむ……そうだな。操縦技術という点ではスレイが上だが……」
コーネリアの説明に嬉しそうな表情を浮かべるスレイだったが、次にマリューの口から出た言葉で落ち込んでしまう。
「あら、スレイはヴァイクルの件があるから、いなくなられるのは困るわ」
その言葉に、スレイは見て分かる程に落ち込む。
だが、シャドウミラーの技術班が自分の専用機を開発してくれている以上、それに関わらないという選択肢は、スレイには存在しない。
……下手に技術班だけに任せると、色々な意味でとんでもない機体になる可能性が高い、というのも大きいだろう。
元々がホワイトスターから中途半端にサルベージ出来たヴァイクルの設計データをベースにして開発している機体である以上、実際にその機体を操縦するスレイの意見が多く採り入れるというのは、非常に重要な事だ。
それを考えると、スレイが俺と一緒にUC世界でホワイトベースに乗るというのは、不可能な事だった。
「
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