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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百三七幕 「いけ、戦乙女たち!」
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そんなこんなで数時間。そろそろ昼食を考え始めるかなと思ったシャルにラウラが無言でチョコバーを差し出そうとした頃――ISを通して緊急招集がかかった。招集元はフランス政府だが、そのフランス政府はIS委員会の命令を受けての代理として招集を行っていた。
「軍もあるのに候補生にも召集をかけるって、どう考えても緊急事態だよね」
「しかも国籍問わず、IS委員会の直接命令となればな。名残惜しいがユーロサトリ見学はここまでか」
周囲のIS操縦者がざわめく中でも、2人は極めて平静だった。軍人のラウラはともかくとして何故シャルがそこまで冷静でいられるのかと思わないでもないが、考えてみれば彼女はジョウの友達で以前からの知り合いである。あのジョウの友達が普通な訳はないし、IS操縦者としての技量もずば抜けているシャルにラウラは疑問を挟むことをしなかった。
何も考えていないのではなく、分かっていて黙っているのがラウラの怖さかもしれないが。
閑話休題。結局状況を知らされたIS操縦者たちは緊急出撃をする羽目に陥る。
= =
――佐藤さんがルマリーと遭遇するより少し前。
本来、ISが国境を通過するには条約に基づいた適切な手続きが必要になる。
しかし、特例的に、人命救助等の人道的な理由やISの動員によって阻止可能な災害、テロを防ぐ目的でのみ、ISは国境を越えた活動権限を有することが出来る。
現在、フランスより発進したISの招集部隊はパリからスイスの国境を突っ切り、雲上を飛行中だった。その数合わせて30機。さすがユーロサトリというべきか、フランス所属機をシャル含め5機、ラウラ率いる黒兎隊3機に加えて他国のISが22機も寄り集まっての編隊飛行は圧巻の迫力だ。
「すごいね……今までISが現れてからというもの、実戦でこれだけのISが投入されたのは歴史上初のことじゃないかな?」
シャルが速度を落とさぬままハイパーセンサーで周囲を確認して感慨深げに呟く。
シャルと同じ編隊のラウラは部下二名、クラリッサ・ハルフォーフ大尉とジークリット・ブルーダー中尉も共にいる。彼女たちもクラースの薫陶を受けてるのだろう。二人とも真面目極まりない顔してるけど、チョコバー渡されたら「わぁい!」って喜ぶのだろうか、と若干気になるシャルだった。
しかし、ラウラとしてはスゴイよりもヤバイが頭に浮かんでいる。
「率直に言ってIS30機とは既に戦争レベルの戦力だぞ」
歴史上、これだけのISが投入された事件はないだろう。
では、何故それほどの大戦力が必要なのか――。
出撃より1時間前、イタリアとスイスの国境沿いの山、ヴェルニーナ山に謎のエネルギー反応が観測された。当初はイタリアとスイスが互いに互
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