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蒼穹のカンヘル
四十三枚目
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篝がにっこにこしながら鋼生に顔を向ける。

「んだよ…」

「んー……まだまだかなぁ…。さっさとバランスブレイカー使えるようになってね。
ヴァーリにあーだこーだ言うのはその後で」

「へぇ…? いうじゃねぇのガキんちょが」

鋼生がポキポキと指を鳴らす。

「お? やる? やっちゃう? 年下相手に?? 大人げなくて抱腹絶倒だよ」

「はーい。質問。篝君達って幾つなの?」

紗枝が面白がるように尋ねた。

「俺もヴァーリも12だよ」

「「「「小学生!?」」」」

鳶尾と鋼生がヴァーリの胸元に目を向ける。

「おうコラ俺の女に色目使ってんじゃねぇぞガキども」

ごっ!ごっ! と二人の頭に錫杖が振り下ろされた。

「「いっでぇぁー!?」」

「い、いまの一撃で下級悪魔なら消滅なのですよ……」

「え!? 十二!? ヴァーリちゃん十二なの!? ヴァーリちゃんが早熟だったの!? 篝君が幼形成熟とかじゃなくて!?」

「うるさいぞ皆川」

「私よりおっぱい大きいのに!?」

「東城……そこなのかよ…。ん?レーニは知っていたのか?」

「アザゼル総督から聞いてはいたのですよー」

「ふーん…。まぁお互い様か。俺も一通りの資料は読ませて貰っているよ」

「例えばテメェはどんな事を知ってるってんだ?」

「んー…皆川と東城とレーニのスリーサイズとか?」

「「!?」」

篝が紗枝を指差す。

「東城は上からぁ…」

鳶尾がごくりと唾を飲む。

「何眼ぇ輝かせてるのよ幾瀬君!」

「鳶尾のえっち…」

「え!? 俺だけ!? なんで俺だけなの!?」

「お前が分かりやすいからだよラノベ主人公」

「ら、ラノベ主人公!?」

「世界を滅ぼす能力(笑)持ってて? 女の子三人と同居で? もうすぐ能力者の学校行きだろ?
これをラノベ主人公とよばずしてどうしようか、いやどうしようもない」

「はははは! お前にぴったりだな幾瀬!」

「騒ぐな主人公パーティーその一」

「知らねぇのか? そういうポジションが一番役得なんだぜ」

「ふむ、一理ある」

篝は頷くと、勝手に冷蔵庫を開け始めた。

「マッ缶無いの?」

「「「「マッ缶?」」」」

「ヴァーリちゃんが時々飲んでるコーヒーなのですよ」

篝は舌打ちすると、手の中にアポートで二つマッ缶を出した。

片方をヴァーリに放り投げる。

「ラヴィーも飲む?」

ヴァーリがマッ缶をラヴィニアに差し出す。

「ラヴィー級の魔法使いなら糖分は大事だよ?」

「それは前に聞いたのです。でも一本でご飯一杯分はハイカロリーなのです。私もお年頃なのです」

「おー
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