機動戦士ガンダム
2291話
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セイラとのお茶会が終わると、俺はホワイトスターに戻る……よりも前に、クレイドル、その中でも政庁の周囲にある店を見て回る。
この辺は本当に日々変化しており、移住してきた者達の本気度が理解出来る。
自分達はここに骨を埋めるので、このクレイドルを少しでも発展させて暮らしやすくしようという、そんな思いが。
「あら、アクセルじゃない。戻ってきてたのね」
「……シェリル、一応お前は有名人なんだから、変装くらいはして出歩けよ」
俺に声を掛けてきたのは、シャドウミラーでも広告塔の役割を果たしており、各世界では爆発的な人気を誇る歌手にして、俺の恋人の1人、シェリル・ノームだった。
いつもであれば帽子を被ったりウィッグで髪の色や長さを変えたりといった真似をしているのだが、今日のシェリルはサングラスを掛けてこそいるものの、その特徴的なストロベリーブロンドの髪は素のままの色だ。
見る者が見れば、それこそシェリル・ノームだと一発で分かるだろう。
唯一の救いは、このUC世界においてはシェリルの知名度が高くない事だろう。
ハワイでのコンサートをやったし、それを見ていた者もクレイドルにやって来てはいるのだから、見る者が見れば分かるのだろうが。
また、現在行われているジオンの独立戦争が終われば、間違いなくシェリルはこの世界でも歌手としてデビューする事になる筈だ。
そうなれば、さすがにこんな真似は出来ないだろうが……今なら問題はないという判断なのだろう。
正直なところ、出来れば今の状況でもそういう真似はしないで欲しいというのが俺の本音なのだが。
「あら、一応変装はしてるでしょ? それより、いいところに来たわね。ほら、行くわよ。そろそろ着替えも終わってる筈だし」
「……着替え?」
シェリルの様子を見る限りでは、恐らく誰かと一緒なのだろう。
ただ、問題なのは誰と一緒なのかという事だったのだが……それが誰なのかというのは、シェリルに連れられて入ったランジェリーショップですぐに分かった。
ランジェリーショップというのは、当然のように女の下着を売っている店だ。
だというのに、俺が思った以上に男の姿もあった。
当然の恋人と一緒に買いに来ているといった感じだったが、クレイドルでも料理店以外にこういう店も出来始めたんだな。
というか、俺をこういう店に連れて来たって事は、当然のようにこの店にシェリルと一緒に来たのは女という事になる訳で……更に、先程のそろそろ着替え終わったという台詞を聞くに、間違いなくその相手はこの店で売っている下着に着替えている訳だ。
その辺の事情を考えると、色々な意味で俺がここにいるのは不味いんじゃないかと思うんだが。
シェリルもそれなりに悪戯好きではあっても、見知らぬ相手を俺の前に下着姿で放り
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