156部分:第十四話 戻ってきたものその八
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第十四話 戻ってきたものその八
「そうだったのよ。あの時の如月達は確かに最低だったわ」
「そうよね、あの時の私達は」
「それでも。見捨てるべきじゃなかった」
「叱って支えるべきだったというのね」
「そうだったのよ」
これが弥生が至った考えだった。
「そうしたら。岩清水君達があそこまでしなかったし」
「あそこまでなの」
「そう、それに」
また如月を見る。幾分か戻ったとはいえだ。まだやつれがあった。そのやつれはそうそう容易には取れそうにはないものだった。
「こんなに傷ついてしまわなかったのに」
「けれどこれは」
「自業自得よ」
それは確かだというのだった。
「けれど。それでも」
「それでも」
「酷過ぎるわ。今考えたら」
「弥生・・・・・・」
「そういうことまで見てわかったの」
今の如月も見ての言葉だった。
「それでも程度があるのよ」
「程度が」
「本人達が心から反省するようになって」
今の如月達である。
「それに相手が許してくれたら」
「それでいいのね」
「そう思うわ。報いはあっても当然だけれど」
二人で話していく。その二人でだ。
「それでも。あんなことは」
「私が受けてきたようなことは」
「如月達の行動は最低で。同じだけのことがあっても当然だったけれど」
その如月を見ての。そうしての言葉だった。
「それでも。あそこまでは」
「彼、私達を死んでも許さないって言ってた」
「実際にね。岩清水君達はね」
「ええ」
「相手が死んでもそれでもお葬式や墓場で宴会やったりお祝いとかして」
それは彼の従兄もしていた。そうしていたのだ。
「そうしてたのよ」
「お祝い・・・・・・」
「ネットのサイトでね。いじめをしていた相手をターゲットにして悪事を全て暴いて如月達にしてきたみたいに徹底的に責めて糾弾して」
「私にしたみたいに」
「ええ、そうだったの」
そのサイトのことをだ。如月に話していく。
「そうしてね。死ぬところまで追い詰めて」
「死んでからは」
「だから。お葬式の場所とかお墓の前でね。宴会やってね」
「酷い、そんな・・・・・・」
「そうして徹底的にやっていたのよ」
「じゃあ私も」
「そうなっていたわ、間違いなくね」
「死んでからも。そうよね」
「それ、言われてたわよね」
「だから死ねなくて」
実は死にたいとさえ思った。だがそれは死んでからも攻撃し続けるという岩清水の言葉によりできなくなっていたのだ。そうだったのである。
「それでだったの」
「そうだったよね。本当に」
「それがやり方だったのね」
「そうよ、岩清水君のね」
「私、もう少しで本当に」
「壊れてそうして死んでね」
それからだというのだった。死んでもそれからというのが
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