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レーヴァティン
第八十七話 上からの改革その七
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「それじゃあな」
「どんどん入っていくか」
「後は雪だるまだな」
 芳直は言いつつ自分がかつていた北の方を思い出した、いつも雪と氷に覆われていたあの地域のことを。
「どんどんな」
「勢力をか」
「拡大していってな」
 そうしてというのだ。
「強くなっていくべきだぜ」
「よし、じゃあ周りの街や村にな」
 早速とだ、久志は彼等に使者を送ることにした。そして実際に彼は使者を送り周辺の街や村を勢力圏に収めていった。すると。
 すぐにだ、ローマだけでなくだ。
 久志達はその周辺も治める勢力の主となった、降らない街や村はなく持っている国力も人口も倍程になった。
 それだけの勢力になってだ、久志は仲間達に護民官の官邸で言った。彼は今は基本ここで生活を送る様になっていた。
「あっという間に倍の勢力になったな」
「そうですね、しかしです」
「まだまだだよな」
「私達の勢力はこの島の一部です」
「それ位だよな」
「今はまだ」
「二百万の人口で二万の兵でもな」
「まだです」
 それ位ではというのだ。
「これ位ではです」
「足りないな」
「まだこれからです」
 勢力拡大にはというのだ。
「島を統一するには足りません」
「そうだな、それじゃあな」
「より街や村に声をかけて」
「勢力拡大だよな」
「そして南と北に」
 ローマから見てだ。
「勢力拡大を行うべきですが」
「じゃあまずはな」
「まずはですか」
「南の端まで行くと後は湖と島だけだからな」
 この島ではそうなっている、ローマは半島にありその半島の南から先は湖とその中に浮かぶ島々だけがあるのだ。
 それでだ、こう言うのだった。
「南を何とかしてな」
「それからですね」
「北上しようか」
 後顧の憂い、それをなくしてからだというのだ。
「それからだよ」
「では」
「ああ、南に行くか」
 ローマの周囲即ち半島の中央部を掌握したならというのだ。
「そうするか」
「では南のナポリ王国をですね」
「そこをな」
 まさにと言うのだった。
「どうにかしような」
「ナポリですか」
「あの国のことも調べていくか」
 これからどうなるかわからない彼等のことをというのだ。
「具体的にどんな国かな」
「それでは」
「戦うか平和にことを進めるかわからないがな」
 それでもというのだ。
「とりあえずはな」
「知ることですね」
「やっぱり敵を知り己を知ればだろ」
 久志は孫子の言葉も出した。
「百戦危うからず」
「それで、ですね」
「まずこっちのことも知ってな」
「相手のことも知る」
「それで戦略を考えていこうな」
 ナポリに対するそれをというのだ。
「そういうことでな」
「これからは」
「ああ、まずは勢力拡大と」
 
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