やっぱ冬は鍋でしょ!・その1
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子になるくらいがベストだ。そのくらいになったら半分を取り分けてちょいと細工をしておく。
「司令官、それ何してるの?」
さっきから俺が大根おろしをこねくり回してるのが気になるのか、清霜が尋ねてくる。
「これか?ちょっとした小細工だ」
「ぶ〜っ!ケチケチしないで教えてよぉ」
「はいはい、提督が食べ物を無駄になんてしないのは清霜さんも解ってるでしょ?お楽しみは取っておきましょう」
「は〜い……」
流石は夕雲、お母さんかな?なんて事を考えつつ、大根おろしを成形していく。胴体は半球、腕は楕円に、頭もそれっぽくして……と。後は焼き海苔をキッチンばさみで切って、黒い部分のパーツを作ってくっつければ完成だ。おっと、見えないように隠しとかないとな……
さて、鍋の調理に戻るぞ。鍋にだし汁、味噌、みりんを入れて火にかける。煮汁が煮立ってきたら豚肉、白菜、長ねぎ、キノコ類を加えてアクを取りながら2分程煮る。一旦火を止め、鍋の中心に成形した残りの大根おろしを円形に敷き詰める。仕上げにさっき作った『アレ』を中心に置いて……と。
「さぁ出来たぞ、『特製味噌みぞれ鍋』だ」
「あっ、パンダだ!」
「おぉ〜、可愛いです!」
そう言うと一斉にカメラを構えてバシャバシャと写真を撮りまくる夕雲達。もちろん、パンダ作らなくても大根おろしと焼き海苔を刻んで散らせば味は同じだ。でも、料理ってのは見た目も楽しむモンだからな。
「う、うまそうなメシの匂いだぁ……」
「あ、朝ちゃん起きた」
「ゾンビかお前はっ!」
思わずツッコんでしまった、不覚。しかし、腹ペコで匂いに釣られて起きた朝霜はともかく、他の連中は箸が進んでない。
「ん、どうした?まさか腹が減ってねぇとかか?」
「いや、そうじゃなくて……」
「パンダが可愛くて崩すのが勿体無い」
なんだ、そんな理由か。俺はお玉を掴むと、大根おろしのパンダに刺し込んだ。
「「「「「あぁ〜〜〜〜〜〜っ!」」」」」
悲鳴が上がるが、そんなの関係ねぇ。パンダの形を崩し、鍋全体をかき混ぜる。大体、料理は鑑賞して楽しむモンじゃねぇぞ?食べて楽しむモンだ。
「ホレ、よそってやるから器寄越しな」
ブーブーと文句を垂れつつも、器を差し出してくる夕雲型の一同。
「あつっ、ふー……ふー……あ〜、温まるなぁこりゃ」
ジュルジュルと汁を啜って、ぷはぁと息を吐き出して笑う長波。
「白菜が味噌味の汁を吸って、丁度いい塩梅ね♪」
「キノコのコリコリも美味しいですよ夕雲姉さん!」
出だしは上々。お次はちと辛い中華の鍋、『火鍋』を作るとしよう。
《お家でチャレンジ!ピリ辛火鍋》※分量4人前
・牛肉
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