機動戦士ガンダム
2290話
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てくれないのかといったように不満を……そして、不安を持っている。
「キャスバル兄さんは、何か言っていて?」
「俺がセイラを利用してるんじゃないかと、そう思っていたみたいだな。シャアの中にいるセイラというのは、優しい少女という事で時間が止まっているらしい」
「……そう」
セイラも、こうまでシャアが月にやって来ない事から、大体の予想はしていたのだろう。
小さく呟くその声には、残念という思いが非常に強かった。
まぁ、セイラから聞いた話によると、セイラとシャアが最後に会った……正確には別れたのは、かなり前の事だったらしい。
その辺を考えれば、シャアの中でセイラが優しい少女のままという風になっていてもおかしな話ではない。
……だからといって、セイラも自分だけの時間がすぎているのだ。
シャアの思うような性格でなくても、それはおかしな話ではない。
「どうする? ジオン軍の方に話を通してみるか? そうすれば、シャアをクレイドルにやって来させるといった真似も出来ると思うぞ。幸い……って言い方はどうかと思うが、今はシャアも月からそう離れていない場所にいるだろうし」
ホワイトベースが出てくるのを待ち受ける為にも、間違いなくシャアは補給をしており、待ち伏せをしているのは確実だった。
だからこそ、今この状況でシャアを月に呼ぶというのは、ホワイトベースを援護する意味でも決して悪い話ではない。
……実際にジオン軍がこちらの要望に応じるかどうかは、また別の話だが。
どうする? とセイラに視線を向けて尋ねると、やがて首を横に振る。
「いいえ、止めておくわ。今のキャスバル兄さんと会っても、間違いなくお互いに不幸な結果になるでしょうし」
ポツリ、と残念そうに呟くセイラ。
本音を言えば、間違いなくセイラはシャアと会いたいのだろう。
だが、そのような真似をした場合、お互いに不幸になると分かっているからこそ、それを許容出来ない……といったところか。
あるいは、セイラがルナ・ジオンの女王という立場にないのであれば、また話は別だっただろう。
だが、生憎と今のセイラは月の女王という立場だ。
そうである以上、迂闊な真似が出来ないというのも、俺には納得出来る。
……まぁ、シャドウミラーの代表という立場にあるにも関わらず、好き勝手に動き回っている俺が何を言っても、そこに説得力があるとも思えないが。
「そうか。まぁ、最後の手段としては、シャアの乗っているMSを鹵獲してくるって手段もあるんだが……」
そう言うが、相手を撃破しないで鹵獲するというのは、かなり難しい。
少なくても、今のホワイトベースで出来るようなことではないというのは確実だった。
俺とセイラが初めて接触した瞬間に見た光景が事実であれ
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