第六幕その十一
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「呆れるのかな」
「呆れるって」
「僕達より遥かに」
「いつものことにしても」
「いつもこうだから」
「あの人は私達より呆れるわ」
「そうなのかな。それで今度は美術館だけれど」
先生は日笠さんと次に一緒に行く場所のお話をしました。
「あそこもいいからね」
「美術品が沢山あるよね」
「世界的なものが」
「八条グループが集めたね」
「古今東西の芸術品が揃ってるわね」
「だからね」
それでというのです。
「行くのが楽しみだよ」
「ええ、じゃあ学問のこと以外にもね」
「その楽しみ向けてね」
「そうしてね」
「芸術は学問なんだけれど」
先生はあくまでそうしたことからしか考えていません、日笠さんと一緒にいても日笠さんに誘われても。
「それ以外っていうと」
「だから違うから」
「そこはね」
「ちゃんとわかってね」
「僕達も背中押すから」
「そうしてね」
「まあとにかくね」
呆れつつもです、王子は皆に言いました。
「晩御飯食べよう」
「うん、今日はしゃぶしゃぶだったね」
「そうだよ、お肉買ってきたから」
王子は先生ににこりと笑って答えました。
「これからね」
「皆でだね」
「羊のしゃぶしゃぶ食べようね」
「マトンやラムのだね」
「両方買ってきたから」
羊のお肉はというのです。
「だからね」
「両方楽しめるね」
「うん、しかしね」
「しかし?」
「日本で羊のお肉凄く安いね」
「そう、牛肉よりずっとね」
トミーが王子に答えました。
「安いんだよね」
「しかも身体に凄くいいけれど」
「日本人羊はあまり食べないよね」
「そうなんだよね」
「ジンギスカン鍋にしても焼き肉にしても美味しくて」
「ステーキにしてもね」
「勿論しゃぶしゃぶにしても」
トミーも言います。
「美味しいのに」
「何故かあまり食べないんだよね」
「羊のお肉はね」
「あまり馴染みがないのは確かだね」
先生もこう言います。
「日本人に羊は」
「魚介類を沢山食べてね」
「そうなんだよね」
「胃袋の食べる量は限られていて」
王子は考えつつ言いました。
「魚介類を食べる分ね」
「羊はだね」
「食べないのかな」
「そう言われるとそうかもね、けれど僕達はね」
「うん、今からね」
「その羊を食べようね」
「是非ね」
先生に笑顔で言いました、そしてでした。
皆で羊のしゃぶしゃぶも食べました、夏に食べるしゃぶしゃぶも乙なものでした。
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