第6章:束の間の期間
第191話「薄れて行く境界」
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
事には、揺れは来たが未知の事象に慌てている事が記されていた。
「次元を跨いで揺れは起きていた。もしかすると、かなり広範囲かもしれん」
「次元を跨いで……!?それはとんでもないわね……」
まさか次元を超えて揺れが届くとは思わなかったのか、椿と葵は驚いた。
同時に、それほどの規模の揺れがなぜ起こったのか、さらに謎が深くなる。
「緊急で調査をしたが、分からなかったようだ。まだミッドチルダには着いていないが、もしかするとミッドチルダも……」
「……もしかして、これほどの規模だと思ったから、さっき……?」
「まぁな。推測の域を出ないし、短絡的なのは自覚していたが」
それでも、まだ以前のあの男と同じにするには、理由が弱かった。
そのため、推測の域は出ない。
〈マスター〉
「こっちも返信が来たか」
「今度は誰に……えっ」
もう一つ、メッセージを送っていた相手がいた。
椿はその名前を見て顔を引きつらせる。
「あの男にも送っていたの……?」
「研究者だからな。こんな事が起きたならば、真っ先に調べようとするはずだと思ってな」
メッセージの相手は、ジェイル。
マッドと頭につく科学者にも、優輝はメッセージを送っていたのだ。
「……確かに、こういう類では頼りになるだろうけど……」
「返信内容はどうなってるの?」
簡単に頼ってしまっていいのかと葛藤する椿をよそに、葵が尋ねる。
メッセージの内容はクロノに送ったものと大差ない。
「……ミッドチルダも同じ揺れを観測したらしい。いや、それどころかあいつの目が届く範囲内だけとはいえ、全ての地域、世界で揺れが起きた事が確認されていたようだ」
「なっ……!?」
優輝の言った通り、返信内容にはそういった旨のメッセージがあった。
ジェイルはガジェットを使っていくつもの次元世界を観測していた。
これは管理局からの追ってから逃れるための手段であるのだが、今回はそのガジェットの全てが件の揺れを観測したらしい。
メッセージには、その観測結果とそれに関する推測も載せられていた。
「ミッドチルダ、次元渡航中のアースラ、地球、他いくつもの次元世界……ここまでの規模の不可思議な揺れだなんて……」
「ここまでになると、原因や正体の前に、影響を知るべきかもね……」
これほどの規模となれば、普通のロストロギアにすら簡単に起こせない現象だ。
そのため、正体も重要だが、本当に揺れただけなのか確かめる必要が出てきた。
「地球で起きた影響と言えば……」
「……幽世の瘴気が出てきた事だよね?」
「と、言う事は……境界がさらに薄れた?」
偶然かもしれないが、状況的に見てその可
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ