第6章:束の間の期間
第191話「薄れて行く境界」
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ご主人様の助けになるのならなんのその!……あ、本来の目的の方の報告もしておきますね」
『あ、そうだった』
声の主はとこよ。彼女が型紙の主だった。
「結論としては、少ししか違和感がありません。やはり、境界が薄まった事で行き来が容易になってきているのかと……」
『そっか……うん。調査はこれぐらいでいいかな。さっきの揺れの影響か、幽世の瘴気が現世にも出てしまっているみたいだし、そっちを何とかしなきゃ』
「そうですね」
型紙が現世に来ている理由は、境界が薄れた影響を調査する事だった。
だが、その途中で大きな影響が発生したため、調査はもう切り上げるようだった。
『じゃあ、戻って。国造』
その言霊と同時に、型紙……国造は幽世へと戻っていった。
「……今の、揺れは……?」
京都で起きた揺れは、海鳴市にいる優輝達の所にまで届いていた。
「……地震ではないわね」
〈空間そのものが揺らされたかのようです。……何かが起きたか、影響したのかと〉
「だろうね」
椿が即座に地震ではないと見抜き、リヒトが推測を述べる。
葵も同意見で、その言葉に頷いた。
「空間の揺れ……とも少し違うか?どうも、ただの揺れには思えない……」
「そもそも普通の揺れではなかったものね」
「どちらかと言えば、衝撃が走ったみたいな感じだよね」
揺れについて考察を述べるが、これ以上は調査なしではわからない。
そのために、行動する必要があった。
「クロノ達は既に向こうに向かっている。しばらくはこっちに来れないだろう」
「なら、独断で行動するしかないわね」
「それしかないね」
クロノ達は既に一度ミッドチルダに戻っている。
大体の局員は地球に残っているが、今回の揺れに関してはあまり頼れない。
「あ、監視はどうしよう」
「放っておいてもいいけど……」
「いや、政府側に報告しておいてもらおう」
優輝達は監視されている。
だが、優輝はそれを利用して速やかに今回の揺れについて伝えてもらおうとした。
「見つけておいたよー」
「じゃあ、伝えておいて。不可解なものを見つけても不用意に触れないように、全国に向けて注意喚起しておくように、って」
「りょうかーい」
葵が早速見つけ、椿が伝言内容を伝える。
ちなみに、監視していた人物は、あっさり見つけられた事に驚いていた。
「まぁ、不可解なものは不用意に触らないのが基本なんだがな」
「一応よ。一応」
「かやちゃん、心配性だねー」
「だ、誰が心配性よ!?」
素直じゃない椿の発言に、葵は笑みを浮かべる。
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