泡沫の島 4話「ユキ」
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」
「そうですか。」
と、口では平静を装っていた私ですが、その実結構動揺してたりしてました。正直今の連続攻撃で確実に仕留められると思ってましたから。まぁしょうがないといえばしょうがないですね。上には上、ということで。
「んー最近は割と融通が聞くんだけどなぁ…たまに暴走しちゃうしなぁ…。」
「……考えてるとこすみませんが、そろそろやっちゃっていいですか?」
「んー…もうちょい待って。あと十秒ほど。」
「はい。十、九、二、一、零。それじゃ行きます。」
私は躊躇無く疾走した。
「ちょ、ちょっとそれは無し!ああもう、しょうがない!」
そして、私が左手に持ったナイフを彼の胸に突き刺そうとした瞬間。彼の口が小さく動き
-------Access.
……数瞬の後、私は地面にうつ伏せに転がっていました。それはもう無様に。
「……ふぅ。ごめん。生きてるよね?」
上の方から声が掛かる。
「……返事が無い。ただの屍のようだ。」
「いや、返事してるし。」
「何したか聞いてもいいですか?」
「んー内緒。まぁぼくの能力の一つってことで。それで…まだやる?」
「………遠慮しときます。何か惨めなんで。」
私は彼との力の差をひしひしと感じていた。またやっても結果が同じだと一瞬で悟りました。人間、諦めが肝心です。
「ありがと。君も落ち込むことは無いよ。元々近距離で戦うタイプじゃないはずなのに、こんなに強いとは思わなかった。正直、君が僕を本気で殺すつもりで来られてたら、負けてたのは僕の方かもしれない。」
…………そこまでお見通しですか。
「……フォローどもです。微妙に気持ちが楽になったりならなかったり。」
そう言い私は身体を捻って仰向けになった。
「あーもう完全に負けちゃいました。あとは殺すなり犯すなり辱めるなり、ご自由にどーぞ。」
「……普通そこは煮るなり焼くなりじゃない?」
「実際煮たり焼いたりする人は居ないんじゃないんですか?そういった人ってその後食べるんですかね?」
「そう言われればそうだね。えーと、それじゃ僕の好きにしていいのかな?」
「はい。初めてなので、優しくお願いします。ぽっ。」
「いや、多分君が考えてるようなことじゃないから。んー。そうだな…。」
私は彼が言い出すのを黙って待つ。敗者は勝者に従う。それがルール。死ねと言われれば死ぬ覚悟は出来ていた。
「……うん、決めた。君も、僕と一緒に逃げよう。」
「……はぁ?」
「君なんか面白いし。頼りにもなる
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