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泡沫の島
泡沫の島 4話「ユキ」
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任務を受け、私達諜報部隊は駆り出された。

 ほどなくして私達のグループは彼を見つけ出したが、彼の実力に一人、また一人と倒れていき、残すは私一人。彼をこの廃ビルへと追い込んだ。

 「君のことは知ってる。確か施設の歴史上最高の狙撃手だってね。能力は、超遠距離まで見渡すことが出来る、だったかな?」

 「……エスパー?」

 「いや、ある意味僕も君もエスパーなのかもしれないけど。」

 「…………はっ!」

 「いや、別に僕のは心を読む能力とかじゃないから。」
 
 「…安心しました。」

 「それで話を戻すけど。見逃してくれないかな?いくら優秀なスナイパーでも、近接戦闘では僕が上だと思うよ?」

 「確かに好きなのは遠距離戦ですが、近距離戦も苦手というわけではないのでご心配なく。それと、黙って見逃すと私が怒られるんで嫌です。ということで、大人しく神妙にお縄についてください。」

 「……ごめん、それは出来ない。悪いけど、力づくでも退いてもらう。」

 「女の子に手をあげるなんて鬼畜ですね。」

 「う、そう来たか。…あー、ごめんね?でも、どうしてもやりたいことが出来たんだ。」

 そう言い、彼と私は5Mほど距離を取って対峙する。

 「……じゃ行きます。」

 私は彼に向かって疾走。そして前蹴りのモーション。と、同時に彼の左方向に向かってナイフを投げる。

 「…クッ!!」

 彼が避けようとした方向に投げた私のナイフが肩を掠める。間髪入れず私は思いっきり身体をひねり、走る勢いそのまま前蹴りを無理矢理回し蹴りに変化させて繰り出した。

 「!!!」

 彼のガードが間に合い、私の攻撃が防がれる。その私の背中に向かって、彼の右足が飛んできた。

 私は攻撃の進行方向に跳躍し攻撃を紙一重でかわす。

 そしてまた距離を取って膠着状態に戻った。彼の肩にはさっきのナイフのせいで衣服が少し破けて血が出ている。

 「……凄い。まさか僕の逃げる方向をあらかじめ予測してナイフを投げるなんてね。天才、か…。」

 「一応近接でもそれなりに応用は効くんです。まぁ、それでも動かないでいい分遠距離の方がやっぱり楽ですが。ちなみに、初めてナイフかわされました。そちらも凄い反射神経ですね。」

 私は素直に称賛した。が、それでも今の一合でまだ私に分があると見た。

 「はは。参ったな…。このままだと厳しそうだ。」

 「おとなしく捕まる気になりましたか?」

 「いや、捕まる気はないよ。本気でいかないとまずいかなーって、考えてるだけ。」

 「……女の子相手に本気を出すなんて…」

 「いや、それはもういいから。
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