第77話
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る”敵”と遭遇しているかもしれませんわね。」
「「……………………」」
周囲を見回して確認したリィン、アッシュやミュゼ、セレーネの言葉を聞いて既に状況を察したアルティナとゲルドは警戒の表情で周囲を見回していた。
「…………?さっきから何を―――」
「………そうか。僕達は”おびき出された”んですね?あの情報屋―――いや、”彼を雇った何者か”に。」
リィン達の行動の意味がわからないユウナが不思議そうな表情をしている中、アルティナたち同様リィン達の行動の意味がわかったクルトは真剣な表情を浮かべて訊ねた。
「ふふ、おそらく欺瞞情報かと。私達をこの場所に誘い込むこと自体が目的の。」
「ハッ、さすがにてめぇは端っから気づいてやがったか。」
「…………様子がおかしいとは途中から気づきましたが。」
「ちょ、ちょっと待ってよ!だって、あのオジさん、アッシュの顔馴染みなんでしょ!?いくらなんでも―――」
自分達がミゲルに騙された事に生徒達がそれぞれ察している中ユウナは困惑の表情で否定しかけたが
「顔見知りを売るはずがねぇ、ってか?クク、お人好しにもほどがあんだろ。―――ま、幾らで引き受けたかは知らねぇがたぶん小遣い稼ぎくらいのミラだろ。おおかた、縄張りをチョロチョロする目障りな学生どもを痛めつけるのが”黒幕”の目的じゃねえか?」
「ふふ、そんな所でしょうね。私達が行方不明になってしまったら第U分校や地方軍、最悪はメンフィル帝国が介入してくるのは予想できているでしょうし。」
「呆れたな…………そこまで読むのか。」
(………確かに。アッシュもそうだが、この子は…………)
アッシュの推理を捕捉したミュゼの説明にクルトは驚き、リィンは真剣な表情でミュゼを見つめた。
「えっと………もし、私達が行方不明になったら他国のメンフィル帝国まで介入するかもしれないってミュゼは言っていたけど、それってやっぱり教官達がいるからかしら?」
「フフ、確かに教官達が行方不明になればほぼ確実にメンフィル帝国が介入するでしょうが、その中にはリウイ前皇帝陛下のご息女の一人でもあるゲルドさんも含まれますわよ。」
「”マーシルン”性を与えられていないとはいえ、リウイ前皇帝陛下の娘として引き取られたゲルドさんはメンフィル帝国にとっては間違いなく”メンフィル帝国皇女”の一人ですし。」
首を傾げたゲルドの疑問にミュゼは苦笑しながら、アルティナは静かな表情で指摘した。
「あ、あんのオヤジ〜…………舐めてくれちゃって〜〜っ…………!ていうか何で気づかないのよ、あたし!?」
「ユウナさん、声が大きいですわよ。」
「……そ、それでどうするんですか?結局現れないってことはこちらの様子を窺っている
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