第77話
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――クロスベル帝国領になったオルディス地方との国境に近い西の峡谷道の外れに”岩の中庭(ロック=パティオ)”なんて地元で呼ばれる場所があってな。最近、どうもそっち方面に見ねぇ連中が出入りしてるみてぇなんだ。街に新しく猟兵が入り込んでるっつうならまず間違いねぇと思うぜ?」
「岩の中庭(ロック=パティオ)…………」
「ハッ、アンタにしちゃやけに太っ腹じゃねえか?」
「いや〜、考えてみりゃあせっかくアッシュが戻ったんだしな!今回だけの特別サービスってヤツさ!ありがたく受け取っとけ!あんなところ、誰も立ち寄やらねえだろうから向こうもきっと油断してんだろ。―――そんじゃ、頑張れよな〜!」
「へえ…………なんか顔に似合わず親切なオジサンねぇ。」
「顔に似合わずはともかく、耳寄りな情報ではありますね。」
「ちなみに人格はともかく、情報屋としちゃあ腕利きだぜ?」
「…………これはあくまで特務活動―――演習の一環であるのは言ったとおりだ。偶然、手に入れた情報をどう活かすかは考えてみてくれ。」
ミゲルが去った後生徒達がそれぞれミゲルの情報を活かす今後の活動を話し合っている中ある事に気づいていたリィンは静かな表情で指摘し
「!?ああん…………?」
「うーん、そう言われると…………あ、そうだ!ゲルドなら今の情報について何かわかるんじゃないの!?」
「確かにゲルドさんの”予知能力”ならば、先程の情報の正確性がわかるでしょうね。」
「…………うん、実はミゲルさんと会ったあたりでさっきの情報についての未来が”視えて”いるわ。」
リィンの指摘に驚いたアッシュは眉を顰め、考え込んだ後ある事を思いついたユウナの提案にアルティナが頷き、ゲルドは静かな表情で答えた。
「ほ、ホント!?じゃあ早速で悪いけどゲルドはどんな未来が―――」
「――――待った。ゲルドの予知能力に頼るのは無しだ。」
「へ…………ど、どうしてですか?」
ゲルドの答えを聞いてゲルドに情報の正確性について聞こうとしたユウナだったがリィンに制されると困惑の表情でリィンを見つめた。
「先程お兄様も言ったようにこれは”演習の一環”です。手に入れた情報を精査する事もまた、ユウナさん達にとっての勉強ですわ。」
「ゲルドの予知能力に頼れば正直言って”答え”が予めわかっているようなものだからな………それに、まだまだ勉強中の身である君達が今の時点でゲルドの予知能力に頼っていたら今後もゲルドの予知能力に頼りっきりになって、君達の成長の妨げになると思うぞ?」
「…………まあ、現にユウナさんは既に些細な未来を知りたい為だけにゲルドさんの予知能力に頼っていますものね。」
「う”っ。」
「一応私の予知能力で視える未来
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