第77話
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「そうか…………」
「ってことは、引き取られたのはけっこう小さい頃だったんだ?」
「6年前に亡くなられて、その8年前ということは3つか、4つ…………?」
「ハッ、ロクに覚えちゃいないがな。俺に言えるのは、面倒見が良くてどうしようもなくお人好しで、それでいて強い女だったくらいだ。メシマズで、途中から俺が代わりに作るようになったのはご愛敬だがな。」
「ふふ、そっか…………」
「いいお母様だったんですね、本当に…………」
「…………ちなみにお母様は何が原因で?」
「タチの悪い腫瘍だ。コロッと逝っちまったな。いつも人の面倒を見てた割には女神達も見る目がねぇっつーか。ま、つっても巡り合わせだろ。」
「アッシュ…………」
「………………………………」
母親の死について軽く説明するアッシュの様子をクルトとゲルドはそれぞれ辛そうな表情で見つめ、リィン達もそれぞれ黙祷をしていた。
「チッ、だから止めろって。いくらこの街が乾燥気味だからってそういうジメっぽさは要らねぇんだよ。」
「はは…………上手い事言うじゃないか。」
「そういえば、峡谷地帯の中心だったな。」
「ふふ、ですが折角ですし、少し風を通していかれては?」
「そうね、知り合いの人が掃除はしてくれてるみたいだけど。」
「あー、そうだな。ちょいとやっておくか。」
―――その後、アッシュは窓を開けてしばらく風を通し…………再び玄関に鍵を掛けて実家の部屋を後にするのだった。
そしてリィン達は情報を整理する為に噴水がある広場で話し合いを始めた。
〜ラクウェル〜
「ふう、話を聞けそうなところは一通り回れたけど…………」
「これは、という情報は今の所ない感じですね。」
「うん、”猟兵”の話自体は聞くけど、私達がさっき会った猟兵に関する情報はないわね。」
「ま、もともと猟兵の出入りはそれなりにある街だしな。多少出入りしてる連中が増えても誰も気にも留めねぇってトコだろ。」
「…………なるほどな。」
「しかもラクウェルは歓楽街ですから、歓楽街にとってはそういった方々も”上客”の内に入りますから、特に商売を営んでいる方々は他の都市や街と違って、気にしないのでしょうね…………」
「となると、調査はここまででしょうか?」
「せっかくここまで来た以上、何か製あkを出したいところだが…………」
「クク、そんなアンタたちに耳寄りな情報があるぜぇ?」
リィン達が今後の方針について悩んでいると一人の男性がリィン達に声をかけた。
「……はっ。アンタか、ミゲル。」
「よお、アッシュ。ホントに帰ってきてたんだなぁ。
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