第77話
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の要衝でしたが…………30年前の鉄道開通と同時に小劇場やカジノなども建てられて歓楽街となったみたいですね。そのあたりは、先代カイエン公の決定が大きかったようです。」
「なるほど…………するとこの賑わいは乗り換え客、もしくは観光客ですか。」
ミュゼの説明を聞いたアルティナは納得した様子で賑わっている街を見回した。
「クク、夜はまた違った客層だがな。昼と夜じゃあ全然違う顔を持っている街だ。」
「そうそう、アッシュの故郷なのよね。ご家族に挨拶するんでしょうし、まずは実家に行くべきじゃないの?」
アッシュの説明を聞いてラクウェルがアッシュの故郷であることを思い出したユウナはアッシュに確認した。
「あん…………?」
「……………………」
「クロスベルでも、ユウナさんとゲルドさんのご家族に挨拶しましたし。」
「迷惑でなかったら僕達も挨拶させてもらいたいんだが。」
「…………クク、挨拶って発想自体がおめでてぇ気もするが。ま、”実家”は確かにあるが誰もいねぇから行ってもムダだぜ?」
「え。」
「…………もしかしてアッシュの家族ってもう…………」
アッシュの実家を訪問するつもりだったが、アッシュの口から出た意外な話にユウナは呆け、ある事を察したゲルドは心配そうな表情でアッシュを見つめた。
「ああ、元々俺は天涯孤独でな。生まれもラクウェルじゃねえし、育ての親も商売女だった。そのお袋が6年前に亡くなってからずっと一人暮らしってわけだ。ま、訊ねてくるダチや女なんかは多かったけどな。」
「…………そうだったのですか。」
「……………………」
「えっと………なんて言ったらいいか…………」
アッシュの説明を聞いたセレーネは目を伏せ、クルトとユウナは気まずそうな表情をしていた。
「ハッ、昔の話だ。てめえらが浸ってんじゃねえ。とりま、クソったれな特務活動をすんだろうが?とっとと終わらせて一杯引っかけるとしようぜ。飲む、打つ、買うのイロハをお坊ちゃんに教えてやっからよ。」
「あのな…………」
「コラコラ…………させるわけないだろうが。」
肩に手を置いて口元に笑みを浮かべるアッシュの誘いにクルトが呆れている中、リィンは困った表情で指摘した。
「飲む・打つ・買う…………?」
「飲むはわかるし、打つはギャンブルだっけ?それじゃ買うって―――」
「一体何を”買う”のかしら?」
「ふふっ、それはですね。」
(やはり、そういった事もご存じだったのですかミュゼさんは…………)
一方アッシュの言葉の一部の意味がわからないアルティナ達がそれぞれ不思議そうな表情で首を傾げている中ミュゼは意味ありげな笑みを浮かべて小声でアルティナたちの疑問を説明し
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