プロローグ
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通路を歩いていると、すれ違う職員や指揮官達に、嫌な視線を感じる。
どれもこれもが、『恐怖』や『畏怖』的なものばかりだ。
俺が何をした?思い当たるふしはなくはないが・・・。
そう思っていると、目的の場所、指揮官長室に着いた。
大きな扉の前に立ち、ノックした。
「どうぞ」
中から声がした。
「失礼します」
中へ入ると、一人の男の人と女性がいた。
男は、白い指揮官服を着ているが、かなりの巨漢に見える。
この人は、本郷元帥。この海軍のトップであり、俺の師匠だ。
この世界には、覇気や六式が軍では当たり前のようにある。
隣にいる女性は、大淀だな。
「よく来てくれた南少佐。まあ、かけたまえ」
元帥がそう言って、俺をソファーへと導いた。
俺はソファーに座り、元帥は俺の前にあるソファーに座った。
大淀が、俺と元帥にコーヒーを出した。
「何の御用でしょうか?本郷元帥」
俺が聞くと、元帥はキリっとした顔をして言った。
「・・・『黒』が発見された」
「な!」
『黒』。それは、秘匿暗号の一つで、『ブラック鎮守府』の事を指す。
この海軍では、艦娘ができてから二つの派閥が存在する。
一つは『艦娘親密派』。もう一つは『艦娘軽視派』。
親密派は、その名の通り艦娘に対して親身に接する連中の事だ。彼らは艦娘を人のように扱う。故にこういった連中は、とにかく艦娘に好かれたり、懐かれたり、モテたりする。
対して軽視派は、全く逆で艦娘を軽蔑し道具のように扱う。その為、暴力や虐待。挙句の果てには性的行為に及ぶこともある。こういった連中に関わった艦娘たちは、人間不信やPTSDにかかる場合もあり、かなり厄介だ。
この軍では、この二つの勢力が大多数を占めている。だが、自分はどちらかと言うと『中立』に等しい。
『中立』は、艦娘にあまり感情移入せず、しかし劣悪な行為もしない連中の事。と、言っても中立はそこまで多くはおらず、ごく少数。自分もその一人。
中立であるなら、別に軽視派のやる事は知らんぷりだが。流石の俺でも無視はできない。
中立でなりながら、なる程度は親身に接する俺。故に、軽視派のやる事は大っ嫌いだ。
そこで俺は、親密派の1人である本郷元帥に聞いた。
「場所は?」
「舞鶴鎮守府だ」
舞鶴か・・・。横須賀、佐世保に並んで有名どころが、黒とはね。
「現状は?」
俺は舞鶴の現状を聞いた。
「かなりひどい。担当していた提督は既に逮捕済みだ。大破進軍や暴力行為、性的虐待も確認された。それと、轟沈もあったそうだ」
屑が。その状況に怒りを感じ、無意識にこぶしを握っていた。
「そこで、君に舞鶴
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