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蒼穹のカンヘル
三十九枚目
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ゴロなの? バカなの?」

おっといきなり罵倒になったぞー。

「いや…その…そんなつもりはなかったです…はい」

「女の子はいつだって自分を助けてくれる王子様を待ってるの。
ねぇ、私の王子様。あのときリリンをやっつけてくれたとき、最初に私のために怒ってくれたとき。
不謹慎にも私は嬉しかったの」

「そっか…」

そうなのか…。

「ねぇ、篝。こんな重い女の子は嫌?」

嫌なわけ…ないじゃないか。

「嬉しいよ。とっても嬉しい」

ヴァーリの事はずっと見てきた。

ずっと側に居た。守ってきた。

「俺はヴァーリが好きだ。でもそれはただの家族愛かもしれない」

「うん」

でも、それでも。

「そうだな…うん…」

ヴァーリに答えるように、同じ人のセリフを引用する。

「お前を好きになる努力を、したいとおもう」

「ありがとう。篝」










蛇足。数日後の話。

『お前を好きになる努力をしたいとおもう』

「言うねぇ!」

「うるさい。あとそのボイスレコードは何だ。消せアザゼル」

「やーだね。せっかく黒歌が渡してくれたんだ暫く酒の肴にさせてもらうぜ」

こそこそ逃げようとした淫乱ロリ猫の後頭部にエネルギー弾をぶち当てる。

「OK。戦争がしたいんだな?」

「おいおいサーゼクス達まで敵に回すのか?」

「なんだと?」

「サーゼクスとセラフォルーには黒歌が、八坂と九重にはジュスヘルが送ったぞ」

「黒歌!」

「きゃー犯されちゃうにゃー!」

「ジュスヘルはどこだ一発殴ってくる」

「さぁ? 今頃八坂の所じゃねぇのか? 戻ってきてからこっち入り浸ってるみたいだぜ」

このあと方々を殴って回った。

なお、父さんの無言のグッドサインが一番イラッときた。
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